舞台『クヒオ大佐の妻』の追加キャストが発表された。
『クヒオ大佐の妻』は、1970年代から90年代にかけて、カメハメハ大王やエリザベス女王の親類であると偽り、結婚詐欺を繰り返した「ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐」と名乗る実在の日本人をモチーフにした作品。作・演出を『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』の吉田大八が担当する。吉田は2009年公開の映画『クヒオ大佐』でも監督を務めている。これまでに岩井秀人(ハイバイ)がキャストとして発表されていた。
今回発表された追加キャストは、築45年の狭いアパートでクヒオ大佐を待ち続ける妻役の宮沢りえ。クヒオ大佐は結婚詐欺師ではなく、アメリカ空軍のジェット機を操縦するパイロットであり、戦い続けているために忙しくてなかなか帰宅ができない、と語る宮沢演じる妻のもとを、岩井演じる作家志望の宅配便屋が訪れ、話を聞くうちに宅配便屋の言動も徐々に変化していくというあらすじだ。また主演の宮沢に加えて、川面千晶、水澤紳吾も追加キャストとして発表された。
なお宮沢と吉田大八は映画『紙の月』でタッグを組んでおり、撮影後も交流を続けていた両者がクヒオ大佐の話題で盛り上がったことが同作の企画のきっかけになったという。
チケット一般発売は3月25日10:00からスタート。
宮沢りえのコメント
映画「紙の月」でご一緒した吉田大八監督と今度は演劇を作ることになりました。信頼できる、大好きな演出家の方とまたお仕事ができることは嬉しいですし、クヒオという人の妻を演じることには興奮ととまどいを感じ、いろいろな気持ちの振り子が揺れているところです。特に今回は密度の高い劇場空間の中ですから、役者さんたちだけで生まれるものではなく、お客様とも一緒に何かを生み出せるはずだと思うと今から楽しみです。どうぞ、みなさんもぜひ私たちの共犯者になってください!
吉田大八のコメント
一度は映画で決着つけたはずでした。しかし心の底にくすぶり続けた思いは消えず、こうして8年後、再びクヒオ大佐とあいまみえることになりました。おそらく皆さんは「なぜ、また?」とお思いでしょう。だから僕自身も、この作品を通じてその「なぜ、また?」の答えを探していこうと思います。同じくクヒオに魅せられた宮沢さんが、映画では描かなかった“妻”という位置からクヒオを照らしだす、その瞬間を想像して今から勝手に感極まっています。まあどう転んでも見ものなのは間違いないです。
- イベント情報
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『クヒオ大佐の妻』
2017年5月19日(金)~6月11日(日)全28公演 会場:東京都 池袋 東京芸術劇場 シアターウエスト作・演出:吉田大八 出演: 宮沢りえ 岩井秀人 川面千晶 水澤紳吾 料金:前売7,600円 当日8,000円
Special Feature
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CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?