舞台『黒蜥蜴』が、2018年1月に東京・日比谷の日生劇場、2月に大阪・梅田芸術劇場で上演される。
江戸川乱歩原作、三島由紀夫脚本による舞台『黒蜥蜴』。美貌の盗賊・黒蜥蜴と探偵の明智小五郎による対決と恋を、歌舞伎の手法を織り交ぜながら描く。これまでに美輪明宏、坂東玉三郎ら多数の俳優が黒蜥蜴役を演じている。
今回の公演で黒蜥蜴役を演じるのは中谷美紀。明智小五郎役を井上芳雄が演じ、演出をイギリス出身のデヴィッド・ルヴォーが手掛ける。出演にあたり中谷は「恐れを抱き、逡巡もしたのですが、やはり心が動いてしまい、出演させていただくことを決めました」とコメントしており、井上は「この作品をやりたいと感じた一番の理由はルヴォーさんの演出だということです」と述べている。
ルヴォーは中谷について、黒蜥蜴役に必要な美しさと魅力を兼ね備えているほか、「繊細な部分も併せ持っていて、申し分ありません」とコメント。井上に対しては、知性的で明智役にふさわしいと述べた上で、「もう王子様役は十分でしょうから(笑)、新たなハードボイルド役に期待しています」と激励している。
デヴィッド・ルヴォーのコメント
中谷美紀について
黒蜥蜴役は、まず目を見張るような絶世の美女でなければなりません。同時にある種の緊張感を持ち、何かに駆り立てられている女性で、謎めいており、この人のことを知りたいと、周囲に思わせる磁力の持ち主。中谷美紀さんは、そのすべての要素にかなうだけでなく、繊細な部分も併せ持っていて、申し分ありません。
井上芳雄について
明智は、完全にアウトサイダーであり、ハンフリー・ボガードのようなハードボイルドですが、まっとうなモラルも併せ持っています。『ルドルフ・ザ・ラストキス』でご一緒した井上芳雄さんは、他者からの共感を呼ぶことができる才能に恵まれた俳優で、クールで知性的な点でも、明智にふさわしいでしょう。もう王子様役は十分でしょうから(笑)、新たなハードボイルド役に期待しています。中谷美紀のコメント
出演にあたって
今回、江戸川乱歩が創作し、三島由紀夫が書かれた物語をデヴィッド・ルヴォーさんが演出されるということで、三島さんが巧みに描かれた文章を表現することは容易なことではないですし、とても大きな劇場で演じるということに恐れを抱き、逡巡もしたのですが、やはり心が動いてしまい、出演させていただくことを決めました。
ルヴォーさんとスタッフの方々が温かく支えてくださるということと、また、井上芳雄さんという素晴らしい明智小五郎さんにもめぐり会えるようですので、自らの身を委ねてみたいと思います。
『黒蜥蜴』の魅力について
耽美的でありながら、毒も含んでいて、きちんとエンターテイメントになっている、とても分かりやすい物語であるということが、この作品の魅力なのではないでしょうか。
デヴィッド・ルヴォーについて
「言葉の魔術師」という感じで、人を抵抗なく説得する天才なのではないかと思っています。人の不安材料を取り除いたり、ご自分の世に引き込む力がある方だと思うので、ぜひ私も魔法にかけて頂きたいと思っています。
井上芳雄の印象について
私自身は本作が舞台4作目と経験がありませんが、井上さんはミュージカルスターであることはもちろん、ストレートプレイでも実のあるお芝居をなさる方ですので、いろいろ教えて頂き、助けて頂けることを期待しています。井上芳雄のコメント
出演にあたって
この作品をやりたいと感じた一番の理由はルヴォーさんの演出だということです。過去に『ルドルフ ~ザ・ラスト・キス~』での経験が素晴らしかったので、いつかまたご一緒したいという気持ちがあり、ルヴォーさんが来日するたびに顔を見せに行き、「いつかまた一緒にやりたい」と言い続けてきました。今回のタイミングでお話を頂き、是が非でもやりたいとお返事しました。
『黒蜥蜴』の魅力について
お恥ずかしながら三島さんの作品はそこまで多く読んだことは無いのですが、もともと『黒蜥蜴』はすごく好きで、話自体に興味がありました。『黒蜥蜴』というキャラクターに魅力がありますし、作品で描かれている時代の日本は今の日本に無いものが沢山あるので、不思議な話ではありますが、ずっとすごく好きな作品でしたね。ルヴォーさんとやりたいというのは第一ではありましたが、題材が『黒蜥蜴』だったということも二重のラッキーでした。
デヴィッド・ルヴォーについて
今までいろんな演出家の方とご一緒させて頂いていますが、ルヴォーさんの演出は魔法にかけられているような、演出を受けて本番中も知らないうちに彼の意図する作品の世界に連れていかれているという経験だったので、「もう一度あの中に行きたい」と思っていました。数年が経ち、お互いに日々少しずつ変化していると思うので、今の彼が何を考えて、何を表現しようとするのかを知りたいですし、一緒に良い作品を作れたらこんな幸せなことはないと思います。
中谷美紀の印象について
以前、ドラマで一度ワンシーンだけご一緒して、その時は一瞬お会いしただけだったのですが、その一瞬だけでも「ご一緒できて良かった」と思える方でした。女優さんとして素晴らしいのはもちろんなのですが、その現場で中谷さんは主演だったのにもかかわらず、現場の誰よりも気を遣っていて、「こんなことってあるのかな」と信じられない程、素敵な印象しかありません。今回、舞台で「黒蜥蜴」と「明智」としてご一緒できることを本当に光栄に思います。
- イベント情報
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『黒蜥蜴』
原作:江戸川乱歩 脚本:三島由紀夫 演出:デヴィッド・ルヴォー 出演: 中谷美紀 井上芳雄 ほか 東京公演 2018年1月 会場:東京都 日比谷 日生劇場 大阪公演 2018年2月 会場:大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
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CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?