宮島達男による作品『時の海―東北』の制作資金を募るプロジェクトが、本日2月9日からクラウドファンディングプラットフォーム「Motion Gallery」で行なわれている。
LEDやデジタルカウンターを用いた作品の制作を続ける現代美術家の宮島達男。東日本大震災発生の2日後から犠牲者への鎮魂の意を込めて消灯している東京・六本木のパブリックアート『Counter Void』などの作品で知られる。
『時の海―東北』は、東日本大震災で亡くなった人々への鎮魂と、大災害の記憶を後世に残すことを目的に制作。宮城・石巻の太平洋を望む牡鹿半島の一角に巨大プールを設置し、10年間かけて3千個の点滅するLEDガジェットを設置するプロジェクトとなる。1年目となる今年は300個の設置を目標としており、毎年LEDの数を増やしていく予定だ。
同プロジェクトでは、『時の海―東北』の支援者を作品制作に参加する「サポート・アーティスト」としてクラウドファンディングを通じて募集。支援は500円から可能で、1万円以上の支援者にはリターンとして作品の共同制作アーティストであることを証明する証明書が発行される。目標金額は300万円。資金の募集は6月8日まで行なわれている。
宮島達男のコメント
私は2015年から幾度も石巻に通い、「アーティストがここに作品を作ることをどう思うか?」「被災された方々は今どのような気持ちを抱いているか」を実際にヒアリングして歩きました。浮かび上がってきたことは、人々が前を向いて歩こうとしていること、同時に自分たちの存在を忘れてほしくないと思っていることでした。そして不思議にも、あのすべてを奪っていった海を恨む人に、私は出会わなかったのです。そのことで、ここに「時の海―東北」を作る意を一層強くしました。