『第61回岸田國士戯曲賞』発表 ヨーロッパ企画の上田誠が受賞

白水社が主催する『第61回岸田國士戯曲賞』の受賞作品が発表された。

8作品の最終候補から選ばれたのは、上田誠(ヨーロッパ企画)の『来てけつかるべき新世界』の上演台本。『来てけつかるべき新世界』は、将棋サロンやゲームセンターがあり、「おっさん天国」と称される大阪・新世界を舞台にしたSF作品で、昨年に東京・下北沢の本多劇場などで上演された。上田は『岸田國士戯曲賞』の最終候補に今回初めて選出されていた。

選考委員を務めた宮沢章夫は「ほぼ最初から、上田誠氏の作品に評価が集中した。見事な筆致に唸ると同時に、悔しいがいくつもの場面で笑った。この技術の高さとセンスの鋭さに感服した」とコメント。

なお今回の候補作品には、『来てけつかるべき新世界』に加えて、市原佐都子(Q)の『毛美子不毛話』、長田育恵(てがみ座)の『SOETSU―韓くにの白き太陽―』、オノマリコ(趣向)の『THE GAME OF POLYAMORY LIFE』、瀬戸山美咲(ミナモザ)の『埒もなく汚れなく』、林慎一郎(極東退屈道場)の『PORTAL』、平塚直隆(オイスターズ)の『ここはカナダじゃない』、山縣太一(オフィスマウンテン)の『ドッグマンノーライフ』の8作品が選出されていた。選考員は岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、平田オリザ、宮沢章夫。授賞式は4月17日に東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で行なわれる。

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