舞台『危険な関係』が、10月に東京・渋谷のBunkamura シアターコクーン、11月に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。
18世紀末のパリの社交界を舞台にした同作。大きな権力を握る未亡人・メルトゥイユ公爵夫人が、自らを裏切った元愛人の婚約相手である15歳の少女・セシルへの復讐を企て、貞淑な女性を堕落させることに興味を持つ男・ヴァルモン子爵に、セシルを誘惑させようとするというあらすじだ。18世紀に書かれたピエール・ショデルロ・ド・ラクロの小説を原作に、クリストファー・ハンプトンが戯曲化し、1985年に初演された。
ヴァルモン子爵役を演じるのは、4年ぶり2度目の舞台出演となる玉木宏。メルトゥイユ公爵夫人役を鈴木京香、ヴァルモン子爵がかねてから狙いをつけている信仰の厚い女性・トゥルヴェル法院長夫人役を野々すみ花が演じる。演出を務めるロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身のリチャード・トワイマンは、同作が日本での初演出作品となる。
玉木は女性を誘惑するキャラクターについて、「自信や野心に満ち溢れてはいるけれど、ピュアな一面も持ち合わせたヴァルモンという男の人生の機微を大切に臨みたいと思います」とコメント。鈴木は同作の魅力を「セリフの美しさにひかれています。そして見かわす視線の多彩さ複雑さに驚いています」と表現している。
玉木宏のコメント
4年ぶり2度目の舞台出演について
初舞台の際、舞台ってこんなにも楽しいんだと体感させてもらい、千秋楽の幕が降りた時から、もっともっと舞台経験を積みたいと思っていましたが、あっという間に4年が経ってしまいました。
また、あの時間を体感でき、観劇してくださる皆様にお届け出来る日が来ると思うとワクワク高揚します。鈴木京香の印象について
初めてご一緒させて頂きますが、かねてより共演したいと思う方でした。
上品な佇まいがメルトゥイユ伯爵夫人にぴったりだと感じております。
今回の役の様な、品位に中に潜む狂気をどのようにアプローチされるのか楽しみにしています。役柄について
直接的な喜劇ではなく、人間が絡み合い、喜劇と悲劇が混在するストーリーだと感じており、このストーリーを届けるには、この時代背景が必要な作品だと思っているので、外国人役に戸惑いはありません。今回演じるヴァルモン子爵は登場人物の心と肉体を動かす役どころになるので、自信や野心に満ち溢れてはいるけれど、ピュアな一面も持ち合わせたヴァルモンという男の人生の機微を大切に臨みたいと思います。鈴木京香のコメント
今回の出演について
セリフの美しさにひかれています。
そして見かわす視線の多彩さ複雑さに驚いています。
舞台の上で、どれだけ細やかな表現ができるかが、私にとっての大きな挑戦です。玉木宏の印象について
多くの女性を魅了するフランスの光源氏のような役ですが、玉木さんは色気を感じさせる演技の光る方です。
きっと素晴らしいヴァルモンになられるでしょう。役柄について
以前、ジャンコクトーの「声」で演じて以来の外国人の役です。
外国のコスチュームを違和感なく纏うだけでなく、社交界に君臨する女性としての知性と貫禄も必要な役です。トワイマンさんには文化の違い以外にもたくさんの質問をして役を作りたいと思います。リチャード・トワイマンのコメント
玉木宏、鈴木京香の印象について
カリスマ性を持った玉木さんは、お客さんの心をつかんだ魅力的なヴァルモンをつくりあげてくれることでしょう。京香さんは、自身の持つ強さと人間性によってこれまでになかったメルトゥイユになると思います。
『危険な関係』は人間ドラマを描いた近年の傑作戯曲です。彼ら二人ならそのスケールを舞台上で表現できると、今から楽しみにしております。
- イベント情報
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シアターコクーン・オンレパートリー2017 DISCOVER WORLD THEATRE vol.2
『危険な関係』作:クリストファー・ハンプトン 演出:リチャード・トワイマン 翻訳:広田敦郎 出演: 玉木宏 鈴木京香 野々すみ花 ほか 東京公演 2017年10月 会場:東京都 渋谷 Bunkamura シアターコクーン 大阪公演 2017年11月上旬 会場:大阪府 森ノ宮ピロティホール
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?