松尾スズキ作・演出の舞台『日本総合悲劇協会 Vol.6「業音」』が、8月10日に東京・池袋の東京芸術劇場シアターイーストで開幕。舞台写真とコメントが公開された。
「悲劇」をテーマに、松尾スズキが作・演出を手掛けるプロデュース公演「日本総合悲劇協会」。2002年にシリーズ第3作目として上演された『業音』の約15年ぶりの再演となり、主人公を大人計画作品では初めて主演を務める平岩紙が演じている。共演者は松尾スズキ、池津祥子、伊勢志摩、宍戸美和公、宮崎吐夢、皆川猿時、村杉蝉之介、ダブルキャストとなる康本雅子とエリザベス・マリー。
松尾スズキは本番開幕の手ごたえについて「(出演していて)想像通り、疲れますね(笑)15年前のネタでも、皆、普通にウケているんです。笑いが起きないと、この芝居は成立しないなと思っていたので、そういうことに関してはすごくうまくいっているなと思っています」と自信を見せているほか、主演の平岩について「開幕して、アンケートを読むと、平岩について『すごい』という評価が多くて。平岩が演じる『土屋みどり』という女は、一言でいうと“すごい業の”女。演じて『すごい』という評価がもらえたというのは、もう成功に近い話じゃないかと思っています」とコメント。
平岩は「開幕して、お客さんの表情を見ると笑っていたり、吸収しようとしてくれていたり、そんなエネルギーをこちらがもらって演じる力を頂いてます。特に私の役はお客さんと物語の間を行き来するような役なので一緒に、その空間を作っている感覚というか。たった2時間ですが、自分にとっては運動会をしている気分です(笑)お客さんの応援の中、そこを駆け巡っているような...」と語っている。
同公演は東京公演終了後、名古屋、福岡、大阪、松本を巡演。さらにフランス・パリの演劇祭『フェスティバル・ドートンヌ』への参加も決定しており、10月5日から3日間にわたってパリ日本文化会館で上演される。
松尾スズキのコメント
開幕した手ごたえ
(出演していて)想像通り、疲れますね(笑)
15年前のネタでも、皆、普通にウケているんです。笑いが起きないと、この芝居は成立しないなと思っていたので、そういうことに関してはすごくうまくいっているなと思っています。
それと平岩の評価はすごく気になっていました。そこはやはり芝居全体の成功に関わることだと思うので。15年前に演じた荻野目慶子さんとは全然違うアプローチで主演の土屋という女を平岩が演じるというのは、客もどうやるんだろと思っていたと思うんです。
開幕して、アンケートを読むと、平岩について「すごい」という評価が多くて。平岩が演じる「土屋みどり」という女は、一言でいうと“すごい業の”女。演じて「すごい」という評価がもらえたというのは、もう成功に近い話じゃないかと思っています。出演者がほぼ劇団員であることについて
この「業音」は、みんな2時間ノンストップで走り続ける芝居。劇団員皆、それなりにキャリアがあるので、危うくなっても誰かが助けるみたいな、劇団なりのノリというか、結成から約30年経ちますけど、劇団のよさを感じますね。観劇しようか迷っている人へのPRコメント
洗練されたお芝居、リアルな芝居というのは多いと思いますが、芝居本来が持つエネルギーを最大限に放出して勝負している芝居というのは、あまり見ないと思うんです。是非この機会に、役者の魂が燃える様を観てほしいと思います。平岩紙のコメント
開幕した手ごたえ
開幕して、お客さんの表情を見ると笑っていたり、吸収しようとしてくれていたり、そんなエネルギーをこちらがもらって演じる力を頂いてます。特に私の役はお客さんと物語の間を行き来するような役なので一緒に、その空間を作っている感覚というか。
たった2時間ですが、自分にとっては運動会をしている気分です(笑)お客さんの応援の中、そこを駆け巡っているような…。
この作品は、お客さんの観ている側の気持ちも忙しいと思います。笑っている次には裏切られたかのようなハッとした空気に襲われたり…。でも、そのはざまでドッと笑ってもらえるというのは、改めて松尾さんの演出はすごいなと思います。大人計画作品での初主演について
お話の中心人物なので、もちろんしっかりやらなきゃとは思いますが、主役というよりも先輩たちと一緒に創っている感覚の方が強いです。各々が大切な場面にちゃんとその責任を果たして演じているのが、トスをあげあっているような感じがして。日々幸せを感じています。一回一回の公演、その時その時を大事にしたいと思います。観劇しようか迷っている人へのPRコメント
自分だったらこの芝居絶対観たいです!(笑)だからおすすめです(笑)
絶対観たほうがいいと思うんですよ。踊りもあって、セットも面白いし、音楽も照明も衣裳も素敵だし…。
初演の時作られた世界観や緊張感も引き継ぎつつ、今回の「業音」に全部がピタッと新たに生まれ変わったなと思います。
あと「業音」は、とにかく台詞がいいんです。皆さんそれぞれに響く台詞があると思います。どの台詞が響くかは、人それぞれに違うと思うので、お客さんにはそれを見つけにきてほしいですね。
たった2時間ですし、間違いなく飽きないと思います!怖がっている方もいるかもしれませんが、怖いものみたさにぜひいらしてください(笑)
- イベント情報
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『日本総合悲劇協会 Vol.6「業音」』
作・演出:松尾スズキ 出演: 松尾スズキ 平岩紙 池津祥子 伊勢志摩 宍戸美和公 宮崎吐夢 皆川猿時 村杉蝉之介 康本雅子 エリザベス・マリー ※康本雅子とエリザベス・マリーはダブルキャスト 東京公演 2017年8月10日(木)~9月3日(日)全29公演 会場:東京都 池袋 東京芸術劇場 シアターイースト 料金:一般7,200円 ヤング券3,800円 高校生1,000円 名古屋公演 2017年9月13日(水)、9月14日(木) 会場:愛知県 名古屋 青少年文化センター アートピアホール 福岡公演 2017年9月16日(土)~9月18日(月・祝) 会場:福岡県 西鉄ホール 大阪公演 2017年9月21日(木)~9月24日(日) 会場:大阪府 松下IMPホール 松本公演 2017年9月29日(金)、9月30日(土) 会場:長野県 まつもと市民芸術館 パリ公演 2017年10月5日(木)~10月7日(土) 会場:フランス パリ日本文化会館
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CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?