阿久悠のトリビュートアルバム『地球の男にあきたところよ ~阿久悠リスペクト・アルバム』が、11月15日にリリースされる。
1937年に生まれ、2007年に没した作詞家の阿久悠。同作には阿久悠が手掛けた楽曲のカバーと、阿久悠の死後に発見された未発表詞をレコーディングした音源を収録する。
収録曲は、リリー・フランキーが阿久悠の未発表詞を朗読し、奥田弦が演奏を担当した“いずこ~ふたたび歌を空に翔ばそう”をはじめ、柏木由紀(AKB48)と渡辺麻友(AKB48)の“UFO”、福山雅治の“勝手にしやがれ”、クレイジーケンバンドの“また逢う日まで”、德永英明の“あの鐘を鳴らすのはあなた”、曽我部恵一の“青春挽歌”、斉藤和義の“たそがれマイ・ラブ”、浜田真理子の“舟唄”など全13曲。再録曲だけでなく、同作のために録音された音源も含まれる。
通常盤と184ページの書籍が付属する「生産限定盤」が用意され、書籍には同作の制作ノートや北沢夏音が取材した関係者へのインタビューなどが収録される。
また11月17日と18日には『阿久悠リスペクトコンサート』が東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催。出演者は石野真子、五木ひろし、大橋純子、北原ミレイ、木の実ナナ、ゴスペラーズ、ささきいさお、Char、新妻聖子、林部智史、八代亜紀、山本リンダ、和田アキ子、石川さゆり、岩崎宏美、BOYS AND MEN、増田惠子(ピンク・レディー)、松下優也(X4)、森進一、山本リンダ。チケットは現在販売中だ。
リリー・フランキーのコメント
阿久悠さんの未発表の詞が朗読できて本当に光栄に思います。
歌謡曲が、カッコよく、文学的で、楽しいものだと教えてくれたのが阿久悠さんです。
これからも、阿久さんの歌はずっと歌い継がれていくと思いますが、こうして、まだメロディーのついていない言葉が出てきたのは、阿久さんがまだどこかで本当は創作されていて、それをこっそり出してきたような、そんな気がして、すごくうれしい気持ちになりました。奥田弦のコメント
阿久悠さんの詞が頭の中に入った瞬間にメロディーラインが浮かんできて、歌詞ひとつでこんなに訴えられるんだということに感動しました。
リリーさんが歌うように詞を読み上げ、それにあわせて演奏していくことが、よい体験になったと思います。柏木由紀、渡辺麻友(AKB48)のコメント
2人で本当に息をぴったり合わせようと、心を通わせながら猛練習しました。
ピンク・レディーさんの「UFO」をリスペクトしつつ、どこかに私たちらしさが散りばめられていると思うので、恐縮ではありますが、比べて聴いていただけると光栄です。新妻聖子のコメント
「ジョニィが来たなら伝えてよ 2時間待ってたと」
こんな斬新な歌い出しはなかなかありません。
いかようにも物語を想像できる設定の豊かさ。
歌詞が十分に語ってくれるので、私はその流れに身を任せてレコーディングをさせて頂きました。德永英明のコメント
女性アーティストの名曲をカヴァーさせて頂いたVOCALISTシリーズの中で、「あの鐘を鳴らすのはあなた」の希望に満ちた歌詞とメロディーはまさに名曲。
残念ながら、阿久悠さんとは直接お会いしたことはないのですが、今回トリビュート・アルバムに選曲して頂き、光栄でした。田村芽実のコメント
「ロマンス」の歌詞には、強い女性でありながらも弱い部分が見え隠れする、そんな女性の感情が表現されていて、とても魅力的だなと感じました。
歌を通して時代を変えようとされていた阿久悠さんの世界、そして、平成版の「ロマンス」を感じていただけたらうれしいです。曽我部恵一(サニーデイ・サービス)のコメント
阿久悠さんの歌詞で印象的なのは、ピンク・レディーのもの。
物心ついたばかりの心にもそのアナーキーさは届いた。
音楽の自由さ、好き勝手さを知った初めてだっただろう。
今回「青春挽歌」を歌わせていただき、決められた字数などの制限の中、精神を遠く高く飛ばすための実験性に溢れていることに気づいた。
それと、口に乗ったときの気持ち良さ。
これがなければ、どんな実験性も意味はない。浜田真理子のコメント
「舟唄」はポルトガルのファドをイメージして歌いたい。
そのことを久保田麻琴さんに伝えたら、バイオリンの喜多直毅さんと12弦ギターの笹久保伸さん、そしてベースの加瀬達さんを誘ってくださいました。
録音を終えた時、喜多さんが「この店に行ってみたいですね」と言いました。
それは北国にあるかもしれないし、日本海側にあるような気もするし、外国かもしれない。どこにでもあるようでどこにもない。
そんな幻の酒場を歌った歌なのかもしれません。林部智史のコメント
未発表の詞「この街」は曲が出来上がる前に読ませていただきました。
率直に素敵な詞だと思いました。いつの時代も人間という存在は儚く、それでいて尊い存在なんだなと感じました。
阿久悠さんの伝えたいメッセージが、吉田拓郎さんの創る曲の世界観と合わさった時、まるで元からあったかのような、素敵な曲になりました。
実際にレコーディングにも拓郎さんに来ていただき、歌い方のアドバイスなどをしていただきました。
これからの歌手人生の中でも、このような機会はまず経験できないことだと思います。「この街」のメッセージを、僕が伝えていけるように、歌手として成長できたらと思います。
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