ドキュメンタリー映画『サファリ』が、1月27日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラム、2月3日から大阪・シネ・リーブル梅田ほか全国で順次公開される。
『サファリ』は、獲物の毛皮やツノだけを目的に動物を狩猟するレジャー「トロフィーハンティング」を題材にしたドキュメンタリー。トロフィーハンティングで殺した動物と共に撮影した記念写真をハンターがSNSで公開する事例が注目され、世界各地で是非について議論されている。同作では南部アフリカのナミビアでハンティングをするドイツとオーストリアからのハンターと、ハンターをサファリへとガイドするナミビアの原住民の姿を追う。
監督はオーストリアのウルリヒ・ザイドル。セックス観光や過激な信仰心、年齢の離れた恋にのめりこんでいく3人の女性を描いた『パラダイス』3部作が、『第65回カンヌ国際映画祭』『第69回ヴェネチア国際映画祭』『第63回ベルリン国際映画祭』のコンペティション部門へ立て続けに選出され、人間の欲望や変態性を直視した内容で注目を集めた。『サファリ』は4年ぶりに日本で公開される新作となる。
同作について映画監督の森達也は「もしも80年前にデジタルカメラがあったなら、ホロコーストのドキュメンタリーはこんな質感を持っているかもしれないと考える。人はこれ以上ないほどに身勝手だ」、映画評論家の森直人は「人間の業と欺瞞の間をどこまでもぶっ刺していく鋭利な意見。閲覧注意ながら絶対必見!」とコメントしている。
なお現在サハラ砂漠以南のアフリカ諸国では、24カ国がトロフィーハンティングを許可しており、アフリカ諸国の観光資源となっているほか、野生動物保護管理の資金になっているという主張もある。
森達也のコメント
もしも80年前にデジタルカメラがあったなら、ホロコーストのドキュメンタリーはこんな質感を持っているかもしれないと考える。
人はこれ以上ないほどに身勝手だ。森直人のコメント
人間の業と欺瞞の間をどこまでもぶっ刺していく鋭利な意見。閲覧注意ながら絶対必見!
纐纈あやのコメント
アイロニーの効いた演出と映像美が最後に映し出したものは、他のいのちを搾取し続ける人間という“わたし”の姿だった。
小出祐介(Base Ball Bear)のコメント
『自分は善いことをしている』と語る人の、みっともなさよ。美しく冷静な画面作りが、さらに彼らをスベらせている。
姉崎正広のコメント
…衝撃だった。命とは何なのか…
山口未花子のコメント
動物との繋がりを分断する非常に危険な行為。
内澤旬子のコメント<
200年前の貴族のようなゲームとしての狩猟。それをよしとしている人が同時代にいることが信じられない。
ヨシダナギのコメント
私たちの欲望や生活が動物のうえに成り立っている。
- 作品情報
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『サファリ』
2018年1月27日(土)からシアター・イメージフォーラム、2月3日(土)からシネ・リーブル梅田ほか全国で順次公開 監督・脚本:ウルリヒ・ザイドル 上映時間:90分 配給:サニーフィルム