『フェスティバル/トーキョー』の新ディレクター就任が発表された。
新たなディレクターに就任したのは長島確。『フェスティバル/トーキョー』は今後、新ディレクターの長島、共同ディレクター・河合千佳のもとで舞台芸術の魅力を発信していく。今秋に開催される『フェスティバル/トーキョー18』の開催概要は5月に発表予定。これまでは2014年に就任した市村作知雄がディレクターを務めていた。
ディレクターに起用された長島は「演劇やダンスは作り手も観客も同じ時間に同じ場所にいなければ成立しません。そんな面倒なメディアが、この巨大な速度と過密の都市・東京を基点に、いまあらためてどんな機能を果たせるのかに興味があります」と語っているほか、「2018年度は移行期として、現ディレクター市村作知雄氏のプログラムを引き継ぎつつ、次年度以降へ向けて、共同ディレクターとなる河合千佳氏とともに、新しい世代のためのフェスティバルを目指していきます」と意気込みを語っている。
長島確は1969年東京生まれ。大学院在学中からサミュエル・ベケットの後期散文作品を研究・翻訳する傍ら、字幕オペレーターや上演台本の翻訳者として演劇に関わるようになり、その後は日本におけるドラマトゥルクの草分けとして数多くの演出家や振付家の作品に参加。『東京芸術祭2018』からプランニングチームのメンバーに名を連ねている。東京藝術大学音楽環境創造科特別招聘教授。
長島確のコメント
この10年にわたって演劇・ダンス・アートの現在を牽引してきた国際舞台芸術祭フェスティバル/トーキョー(F/T)のディレクターを引き継ぎます。演劇やダンスは作り手も観客も同じ時間に同じ場所にいなければ成立しません。そんな面倒なメディアが、この巨大な速度と過密の都市・東京を基点に、いまあらためてどんな機能を果たせるのかに興味があります。
F/Tはこれまで、アートの重要な役割のひとつとして、政治や経済の主流とは別のチャンネル、別のドアを開くことに注力してきました。それはすなわち、新しい交点や接点を生み出すことであり、現実社会のなかに、もうひとつの〈居場所〉を出現させることでもあります。
今年2018年度は移行期として、現ディレクター市村作知雄氏のプログラムを引き継ぎつつ、次年度以降へ向けて、共同ディレクターとなる河合千佳氏とともに、新しい世代のためのフェスティバルを目指していきます。