『第62回岸田國士戯曲賞』の受賞作品が発表された。
8作品の最終候補から選ばれたのは、神里雄大(岡崎藝術座)による『バルパライソの長い坂をくだる話』の上演台本と、福原充則(ピチチ5、ベッド&メイキングス)による『あたらしいエクスプロージョン』の上演台本の2作品。
選考会は昨日2月16日に東京・神保町の學士會館で実施。選考委員は岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、平田オリザ、宮沢章夫が務めた。
同賞を主催する白泉社のオフィシャルサイトには、選考委員によるコメントが掲載。宮沢章夫は『バルパライソの長い坂をくだる話』について、「語られる世界の広さと、その位置がきわめて興味深い。それは、パタゴニアであり、オキナワであり、父島だ。中心から逃れる土地の把握に可能性がある。演劇を疑う態度は、それ自体が演劇への強い応答だ」とコメントしている。
また野田秀樹は『あたらしいエクスプロージョン』について「この時代、深刻でないものを書くことが難しい。福原さんは、その中にあって深刻ではないけれども決してこちらが気恥ずかしくなる作品を作らない。それは、彼のセリフの圧倒的な巧さによるものだ。その巧さは、我々創る者をいつも励ましてくれる」とのコメントを発表している。
最終候補作品に選出されていたのは、糸井幸之介(FUKAIPRODUCE羽衣)『瞬間光年』、神里雄大(岡崎藝術座)『バルパライソの長い坂をくだる話』、サリngROCK(突劇金魚)『少年はニワトリと夢を見る』、西尾佳織(鳥公園)『ヨブ呼んでるよ』、福原充則(ピチチ5、ベッド&メイキングス)『あたらしいエクスプロージョン』、松村翔子(モメラス)『こしらえる』、山田由梨(贅沢貧乏)『フィクション・シティー』、山本卓卓(範宙遊泳)『その夜と友達』。