今年の『プリツカー賞』はバルクリシュナ・ドーシ インド人初の受賞者

2018年の『プリツカー賞』の受賞者が発表された。

今年の受賞者に選出されたのは、インド出身のバルクリシュナ・ドーシ。1927年生まれで現在90歳のドーシは、ル・コルビュジエやルイス・カーンといった20世紀の建築家に影響を受け、建築家、都市計画家、教育者として東洋文化に目を向けながらインドの人々の生活を向上させるような建築を約70年間にわたって手掛けてきた。1980年に自身のスタジオSangathを設立。代表作にインド・インドールの集合住宅「Aranya Low Cost Housing」、インド経営大学院・バンガロール校、CEPT大学などがある。

『プリツカー賞』の審査員は「質が高く信頼性のある建築を通して母国や国民に貢献したいという思いや責任感から、公共機関や教育・文化機関、個人住宅など数々のプロジェクトを手掛けてきた」とドーシを評価。さらに「ドーシは建物が建設される場所の文脈を強く意識している。彼のプランは社会や環境、経済的な側面を考慮しているため、その建築はサステナビリティに正面から向き合っている」と評した。

ドーシは『プリツカー賞』の45回目の受賞者であり、インド人としては初の受賞者。授賞式は5月にカナダ・トロントのアガ・カーン博物館で開催される。なお今回の審査員には妹島和世(SANAA)も名を連ねている。

『プリツカー賞』は、「建築界のノーベル賞」とも言われる建築賞。これまでの受賞者にはフランク・ゲーリー、レンゾ・ピアノ、レム・コールハース、ヘルツォーク&ド・ムーロンノーマン・フォスター、ザハ・ハディドらが名を連ねており、日本人では丹下健三、槙文彦、安藤忠雄、妹島和世と西沢立衛、伊藤豊雄、坂茂が受賞している。

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