7月にロンドン・ウエストエンドのパラディウム劇場で上演される渡辺謙主演のミュージカル『王様と私』に大沢たかおが出演することがわかった。
『王様と私』は、19世紀半ばのタイを舞台に、国王と王室の教育係として雇われたイギリス人女性アンナとの関係を描いた作品。ブロードウェイでは19年ぶりの上演となった2015年に王様役を渡辺謙、アンナ役をケリー・オハラが演じ、渡辺は同年に『トニー賞』ミュージカル部門で主演男優賞にノミネートされた。
大沢たかおは同公演のウエストエンド公演にクララホム首相役で出演。渡辺と大沢は今回が初共演となるほか、共にウエストエンドデビューを果たす。6月21日にはプレビュー公演が行なわれる。
渡辺は大沢との共演について「日本の俳優同志として一緒にウエストエンドに立てるというのは、NYに一人で行くよりも誇らしい気持ちで行けるなという気がしています」「海外でやるのが偉いとは思わないですが、自分を白紙に戻して何ができるのかを試すチャンスいい機会になるし、日本の仕事にもフィードバックしてくると思うので、キャリアも実力もあるし俳優として色んなチャレンジをしてほしいと思います」とコメント。
大沢は同作について「初めてNYで観た時は本当のただの客として観ていて、まさか自分が出ると思っていなかったので、そこから公演へ向けて調整していくのが大変ですが、今回改めて声をかけて頂いて、言い訳ができない状況になっているので潔い気持ちで挑めると思っています」と語っている。
渡辺謙のコメント
大沢たかおについて
仕事は初めてですが、トレーナーが同じで話は聞いていたので、ある種の交流はありました。
最初のNY公演の時に、日本でいい俳優はいないのか?と言われていたタイミングで大沢君が観に来てくれて、演出家が「彼はどうだろう?」という話になり、オーディションなども行ったのですが、2016年の時はスケジュールが合わず実現できませんでした。僕よりミュージカル経験は豊富だし、「日本の俳優はこれくらいのポテンシャルがあるんだ」ということを証明するいい機会になると思いますし、大沢君のある種の勇気と、こういった機会を作ってくれたロンドンのプロデューサーにも感謝したいと思います。日本の俳優同志として一緒にウエストエンドに立てるというのは、NYに一人で行くよりも誇らしい気持ちで行けるなという気がしています。
お互いの印象について
深く知ったのは、娘と一緒に出ていたミュージカル「ファントム」で初めて舞台で観たのですが、それまでのイメージと全く変わらない誠実な芝居をされるし、舞台に立たれる方だなという印象でした。
それぞれの人生や考えもあるので海外でやるのが偉いとは思わないですが、自分を白紙に戻して何ができるのかを試すチャンスいい機会になるし、日本の仕事にもフィードバックしてくると思うので、キャリアも実力もあるし俳優として色んなチャレンジをしてほしいと思います。
大沢へのアドバイス
セリフとして舞台で表現できるための英語なので全く一からやり直すくらいの分量になると思います。出来る限りの準備をしていっても結構バタバタすると思います。自分が納得できるところまでやってきてほしいと思います。僕自身も1年半くらい空いているので、1幕通して読むと結構意気が上がるし、セリフを言うために呼吸をするだけで結構体力が必要になりますので、準備をしているところです。
今回の公演について
前回はNYで144ステージやったけど一からやるのは変わらないと思います。今日一日何ができるかをやり続けることには変わりなく、それが楽しみでもある。別なものを新たに作り上げる機会をもらったので、新鮮じゃないとだめだと思うので、どれくらいフレッシュに稽古に入れるか、どこまで100%でやり切れるかを準備し、日々の生活を送りたいと思います。大沢たかおのコメント
渡辺謙について
2015年のNY公演を観に行ったときに楽屋に呼んでくださり、そこで演出家から次の日から来てくれと言われて、「歌ってみてくれ、英語のセリフを言ってくれ」と予告なく言われて何日か行ったのですが、その時はスケジュールが合わなくてご一緒することができませんでした。時間が経って今回ウエストエンドで公演が決まった時に改めて声をかけてくださり、期待に応えたいという思いがあったので、受けさせて頂きました。
舞台デビューが蜷川幸雄さん演出のイギリス公演で、お客さんのレベルの高さや厳しさを聴いていたので、よりによってその厳しい場所なのかと思うのと、いい意味でも試される自分の実力でしか期待に応えることができない本当の意味で挑戦できる場が訪れたなという感じです。
お互いの印象について
僕はNYに追いかけて観に行くくらいのイチファンなので、尊敬以外の何物でもないです。若い人たちがもっと頑張らなければいけないところを謙さんが一人で戦っているのを見ると言葉もないですし、どれだけサポートができるのかと考えさせてくれる素晴らしい先輩です。
初対面でご挨拶した時に、紙に書いた電話番号を渡されて、「海外いつ来るの?来るとき絶対電話してね」って言われたのを覚えています。そういったことをそれまで言われたことがなく人生初めて声をかけて頂いて、改めて海外での活動について考えるようになりました。
『王様と私』を観た感想
言葉失うくらいに素晴らしく、その後も当日券を買って観るほど感動しました。エネルギーやスピード感、楽曲や物語の素晴らしさ、人とのコミュニケーションや、生きること死ぬこと国を守ることという色んなメッセージが詰まった素晴らしい作品だと思いました。
今回の公演について
初めてNYで観た時は本当のただの客として観ていて、まさか自分が出ると思っていなかったので、そこから公演へ向けて調整していくのが大変ですが、今回改めて声をかけて頂いて、言い訳ができない状況になっているので潔い気持ちで挑めると思っています。
5月頭からのリハーサルに向けて準備は始めていますがなかなか思うようにいかないですし、通訳も入らず、その中でどれだけ挑戦できるのか、今はドキドキの方が強いです。
- イベント情報
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『王様と私』
2018年7月3日(火)~9月27日(木) 会場:イギリス ロンドン・パラディウム劇場脚本:オスカー・ハマースタイン2世 演出:バートレット・シャー 出演: 渡辺謙 大沢たかお ケリー・オハラ ディーン・ジョン=ウィルソン チョン・ナヨン
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?