ムンク『叫び』の背景探る 北欧の伝記グラフィックノベル『MUNCH』邦訳版

ステフン・クヴェーネランのグラフィックノベル『MUNCH』が本日8月6日に刊行された。

1963年生まれのステフン・クヴェーネランはノルウェー出身の漫画家。独学で絵を学び、16歳で漫画家デビューを果たした。1993年に初の単行本『握りしめた拳』を出版。文学的な漫画に与えられる『スプローイング賞』を受賞している。これまでにラーシュ・フィスケとの共作『大砲』や、文学作品を漫画化した作品に加え、新聞の風刺画や本の挿絵も手掛けている。

2013年に発表された『MUNCH』は、絵画『叫び』などで知られるエドヴァルド・ムンクを題材にした伝記作品。ムンクを『叫び』の制作へと駆り立てた人間関係や妄念を探る内容になっており、クヴェーネランはムンクの同胞たちの手記の引用を調査し、約8年の歳月をかけて制作したという。

同作は2013年にノルウェーの文学賞『ブラーゲ賞』ノンフィクション部門や、『文化省漫画賞』『ポンドゥス賞』を受賞。『ブラーゲ賞』に漫画作品が選出されたのは初となった。また、韓国語、ポーランド語、クロアチア語、英語など多数の言語に訳されており、邦訳は枇谷玲子が担当した。

なお、10月27日から東京・上野の東京都美術館で展覧会『ムンク展―共鳴する魂の叫び』が開催。ノルウェー・オスロのムンク美術館が所蔵する『叫び』を含む約100点が展示される。

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