展覧会『マジック・ランタン 光と影の映像史』が、本日8月14日から東京・恵比寿の東京都写真美術館で開催されている。
17世紀半ばにオランダのクリスティアン・ホイヘンスが発明した「マジック・ランタン」は、現代のプロジェクターの原型にあたる機構を持つ投影装置。同展では、映像の歴史をプロジェクションの歴史という視点から見直すことに加えて、現代美術家・小金沢健人の新作を紹介することでマジック・ランタンの現代性に光を当てる。会場は「マジック・ランタンの誕生」「マジック・ランタンの流行」「日本のマジック・ランタン」「スライド」「マジック・ランタン以後」の5つのセクションと、「投影の現在」で構成され、マジック・ランタンや、そのスライドなど同館のコレクションを中心に153点を展示。
「マジック・ランタンの誕生」のコーナーではマジック・ランタンの流行を後押しすることになったとされる影絵とマジック・ランタンを用いたホラーショー「ファンタスマゴリア」といった17、18世紀の映像文化、「マジック・ランタンの流行」のコーナーでは19世紀に入って安価になり、投影装置としての精度が向上したマジック・ランタンを「科学の眼」「興行」「家庭のあそび」の3つのセクションで紹介。
また「日本のマジック・ランタン」のコーナーでは、マジック・ランタンが渡来した江戸時代から明治時代における日本独自の発展、「スライド」ではファンタスマゴリアに用いられた幽霊や天使が描かれたスライドや、仕掛けによって絵が動くスライド、写真が焼き付けられたスライドなどを紹介する。
「マジック・ランタン以後」では、映画発明当時の作品や資料を展示するほか、「投影の現在」と題したコーナーでは、『Asian Art Award 2018 supported by Warehouse TERRADA』大賞を受賞した小金沢によるプロジェクションを用いた最新作を展示する。
8月18日には小金沢によるトークイベント、8月24日には「江戸写し絵」社中旗揚げ公演『納涼江戸写し絵の夕べ』、9月1日には「江戸写し絵」社中による写し絵ワークショップ、9月29日には草原真知子、松本夏樹、岩田託子によるマジック・ランタンを巡るレクチャーを実施。参加方法などの詳細は東京都写真美術館のオフィシャルサイトで確認しよう。
- イベント情報
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『マジック・ランタン 光と影の映像史』
2018年8月14日(火)~10月14日(日) 会場:東京都 恵比寿 東京都写真美術館 地下1階展示室時間:10:00~18:00(木、金曜は20:00まで、8月16日、8月17日、8月23日、8月24日、8月30日、8月31日は21:00まで、入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜(9月17日、9月24日、10月1日、10月8日は開館、翌火曜は休館) 料金:500円 学生400円 中高・65歳以上250円 ※小学生以下および都内在住・在学の中学生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料 ※第3水曜は65歳以上無料、7月26日~8月31日の木、金曜18:00~21:00は学生・中高生無料、一般・65歳以上は団体料金
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