やくしまるえつこ(相対性理論)の作品『わたしは人類』が、石川・金沢21世紀美術館に収蔵されることがわかった。
『わたしは人類』は、「人類滅亡後の音楽」をコンセプトにバイオテクノロジーを用いて制作された作品。昨年に『アルスエレクトロニカ』STARTS PRIZE部門でグランプリを受賞した。
今回収蔵されるのは、金沢21世紀美術館で展示された『わたしは人類』の「ver.金沢」。同館がポップミュージック、バイオアート作品をコレクションとして収蔵するのは今回が初となる。キュレーターの高橋洋介(金沢21世紀美術館)は収蔵にあたってコメントを寄せている。
また本日10月9日には東京・上野の国立科学博物館でイベント『「わたしは人類」インスタレーション+特別集会「国立科学博物館の相対性理論」』を開催。相対性理論の新曲“NEO-FUTURE”の発表後、初のイベントとなる。チケットは完売。
高橋洋介(金沢21世紀美術館)のコメント
やくしまるえつこの「わたしは人類」は、生命を情報を記録・複製する一種の機械とみなすことによって音楽の構造や制度を解体し、既存の概念を揺るがす。だからこそ、わたしたちは、それを一瞬の娯楽やありふれた時代のサンプルとしてではなく、連綿と続く伝統を革新し、新たな表現の歴史を切り開く真の芸術作品としてみるのだ。なにより、ひとつの楽曲としては、きわめて多面的な側面を含む「わたしは人類」もまた、彼女の探求のごく一部が結晶化したにすぎず、さらなる予想外の可能性を開くための契機のひとつにほかならない。やくしまるえつこが、一介の音楽家ではなく、現代のアーティストを名乗るにふさわしい理由は、ここにある。