新作ウェブアニメ『わたしの名はオオタフクコ~小さな幸せを、地球の幸せに。~』その1が、本日10月10日に公開された。
同作は、オタフクソース株式会社が2018年10月から新たに策定したコーポレートスローガン「小さな幸せを、地球の幸せに。」を訴求するウェブアニメ。映画『この世界の片隅に』のスタッフが再集結しており、監督・脚本は片渕須直、キャラクター原案はこうの史代、音楽はコトリンゴが手掛けている。主人公の声を演じているのは『この世界の片隅に』で主人公の夫の姉・径子役を演じた尾身美詞。アニメーション制作はMAPPAが担当した。
『わたしの名はオオタフクコ~小さな幸せを、地球の幸せに。~』は全3話から構成。本日公開された「その1」では、1028歳の主人公・オオタフクコが、戦後の広島で出会った、お好み焼きの原型となった鉄板料理「一銭洋食」を通じて、人々に小さな幸せと笑顔の輪を広げていく様をコミカルに描いている。その2は11月上旬、その3は12月上旬に順次公開予定。時代や国境を越えて旅をするオオタフクコの姿が描かれる。
自由気ままで食い意地が張っている憎めない存在のオオタフクコの人物像は、こうの史代の連載作品『百一 hyakuichi』のキャラクターをモチーフに生まれた。また調理シーンについては「広島にあるお店を2日間で6軒回って、具材や手順、焼き方、味を取材し、自分の家でも実際に焼いて食べました。ひとくちに一銭洋食といっても、それぞれ個性があって、どれもすごく美味しかったです」と語る片渕監督の研究成果が活かされているという。
片渕須直監督のコメント
今回のオファーを受けた時の率直な心境
2010年の夏、映画『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台挨拶で訪れた際、初めて広島のお好み焼きを食べて、それが私と広島との最初の出会いでした。その後、『この世界の片隅に』の制作を経て、広島を自分が住んでいる場所のように感じられたらいいなと思い続けてきた中、広島をルーツに持つオタフクソースさんから届いたオファーということで、とても嬉しかったですし、自分たちが広島という街に根付くことができたのかなという思いを抱きました。ストーリーや世界観が生まれた経緯
オタフクソースさんから最初に今回のテーマを伺った時、「時の流れ」のようなものを描くことになるのかなと思い、広島出身のこうの史代さんに相談したところ、彼女が連載する作品の主人公がたまたま「おたふく」をモチーフにしていて。しかも年齢が1028歳で、まさに時の流れをそのまま象徴している。そこで時の流れを生きている主人公が、ある日お好み焼きと出会い、自分や周りの人たちを幸せにしていくみたいなことを描いたら面白いかなと。また、『この世界の片隅に』が戦前から終戦直後を描いた物語なので、その辺りの時代から始まって、現代につながるような話になると、より興味深い作品になるんじゃないかと思いました。主人公オオタフクコのキャラクター設定について
こうのさんの漫画の中では、職業が夜の蝶ということでしたので、今回はその仕事に就く前に、お好み焼きを焼いていたという設定にしました。年齢は1028歳ですが、食い意地が張っていて、自由気ままで、基本的にダメな人です(笑)。何だか長く生きていると、いろんなことを悟っちゃった人格者になりがちですが、そうじゃない方が親しみを持てますよね。日々庶民の中で、新しい発見をしながら生きてきて、その中でお好み焼きとの出会いがあり、人間的にはあまり学習していないけど、大好きなお好み焼きだけは確実に手の内に入れた。その特技の部分を膨らませたキャラクターという感じでしょうか。見どころ
ただ、お好み焼きが好きで、行く先々で焼いていたら、いつの間にか立派なことをやっていて、世界中のいろんな人の役に立っていたという、オオタフクコさんの人間像、生き方をぜひ見ていただきたいですね。視聴者へのメッセージ
お好み焼きはみんなで鉄板を囲んで食べるので、自然と笑顔になりますよね。その笑顔が世界中に広がっていけばという思いを、今回の作品に込めました。そして、いま自分たちが食べているお好み焼きや普段の食事について、時代を遡って考えることで、時の流れを感じていただき、その先の未来を考えるきっかけにしていただけたらと思います。コトリンゴのコメント
主人公は永遠の1028歳、ということでしたので、お好み焼きの妖精なのかな?というお話を監督からお聞きしたので、なんとなく浮世離れしたような、どことなく雅な感じが出ると良いなと考えました。出だしは、その浮世離れした感じを出すために、少しシャリンシャリンとした音を入れてみたりしています。
お好み焼きが大好きで、我が家にもオタフクソースは常備しています。この作品をご覧になったら、お好み焼きがとっても食べたくなるかもしれません。サイトに詳しい作り方も載っているので、アニメと合わせてぜひ楽しんでご覧くださいね。尾身美詞のコメント
5月に広島へ舞台挨拶に伺った際、片渕監督とチームの皆さまに、老舗のお好み焼き屋に連れて行っていただきました。
それがまさか!このように繋がるとは!!沢山のご縁に感謝です!1028歳のフクコは、様々な世界を生きているという設定で、いつの時代でもお好み焼きは愛されてきたんだな~としみじみしました。可愛く明るいフクコを想像して収録に挑んだのですが、監督からの最初のオーダーは「イジイジした後ろ向きなキャラクターで!」という、意外すぎるお言葉!長い長い時間を生きてきたフクコが、お好み焼きに出会って幸せを感じ、笑顔になっていく・・・という物語に胸がキュンとなり、ダメなところもチャーミング!と感じていただけるようなキャラクターになるといいな、と演じさせていただきました。
長い長い年月、ずっと愛されているオタフクソースの魅力が、フクコを通して描き出されています。イジイジした愛すべきキャ
ラクターのフクコと一緒に、お好み焼きを通して笑顔になっていただければ嬉しいです。アニメを見た後、きっとお好み焼きが
食べたくなることでしょう!