紫綬褒章にケラリーノ・サンドロヴィッチ 受章コメントも

芸術や学問、スポーツなどの功労者におくられる紫綬褒章の受章者に、劇作家で演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチらが選ばれたことがわかった。

ケラリーノ・サンドロヴィッチは1963年生まれ、東京都出身。1982年にニューウェーヴバンド・有頂天を結成し、自主レーベル「ナゴムレコード」を設立した。1985年から演劇活動を開始し、1993年に「ナイロン100℃」を始動させた。これまでに『岸田國士戯曲賞』『朝日舞台芸術賞』『読売演劇大賞』『芸術選奨 文部科学大臣賞』など数々の賞に輝いている。

そのほかの紫綬褒章には将棋棋士の羽生善治、小説家の林真理子、俳優の真田広之、アニメーション監督の原恵一ら16人が挙げられている。内閣府の発令は11月3日を予定している。

ケラリーノ・サンドロヴィッチのコメント

頂戴出来る物は拒まない主義の私とは言え、この度賜った章はひときわ大きな喜びです。「もっと好き勝手やれ」と背中を押された気分。これまで創作に関わってくれた全ての人と分かち合いたい。お客様も含めて。とりわけ、ずっと一緒にやってきた劇団員たち、昔自分の身勝手で迷惑かけまくったバンドメンバー、そして、舞台では女優、家では私設秘書にしてこの上なく信頼できるアドバイザーとして支えてきてくれた奥さんと。

僕は舞台の脚本を、日々の稽古を見ながら書く方法を取っているので、俳優さんが実際に動いてくれない事には、作品一本書き上げることもままならない。スタッフさんとも「この芝居、この制約の中で、何が出来るのか」という事を話しながら創っています。そういう意味で私の脚本はどの作品も、皆との共同執筆だと思っています。

もし、他の劇作家や演出家、音楽家と何か違う事があるとすれば、やりたいことしかやってこなかったこと。それから、これまで創ってきた作品の、“量×質”の総量。この点は自己評価としては大抵の同業者の3人分くらいはいくんじゃないかと。(笑)

集中力も体力も落ち、なにかと挫けそうになる昨今の私ですが、まだまだやらねばと背筋が伸びました。やりたくないことはやりませんが。

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