2019年6月6日から東京・初台の新国立劇場 中劇場で上演される舞台『オレステイア』のキャストが発表された。
イギリスの作家ロバート・アイクによる同作は、アイスキュロス作『オレステス』の悲劇を中心とした『オレステイア』3部作を軸に、その他のギリシャ悲劇も盛り込んで再構成した作品。戦争の勝利のために「子殺し」の信託を実行した父アガメムノンが幼い娘を生贄として殺害するが、凱旋の日に夫の帰りを迎えたクリュタイメストラが娘の仇としてアガメムノンを殺害したことから、トラウマで混乱した息子のオレステスが父の仇である母クリュタイメストラを殺し、その罪で裁判にかけられる、というあらすじだ。
主人公のオレステス役を演じるのは生田斗真。オレステスの父アガメムノン役を横田栄司、アガメムノンによって生贄として殺害される幼い娘イピゲネイア役を趣里、娘の仇で夫を殺害するも、息子に殺される母クリュタイメストラ役を神野三鈴が演じる。また音月桂、倉野章子らが共演者に名を連ねる。演出は『オレステス』を含む10本のギリシャ悲劇を集大成した戯曲『グリークス』を通し上演するなどギリシャ悲劇に精通する上村聡史。
主演の生田斗真は「演出家、上村聡史さんの作品をこれまで拝見してきて、いずれご一緒出来たらと思いを募らせていました。敬愛する小川絵梨子さんが、2018年から新国立劇場の芸術監督を務めていらっしゃる事も、今回お話をお受けした理由の一つです。敷居が高いと思われがちな古典作品を多くの方に楽しんでいただけるよう、一生懸命努めます。新国立劇場はとても綺麗な劇場ですので、毎日の通勤が今から楽しみです」とコメント。
チケットの販売は4月14日10:00からスタートする。
上村聡史のコメント
“オレステスは、なぜ母を殺さなければならなかったのだろうか?”
戦争から生じた憎しみを、家族の血塗られた惨劇と青年の悲痛を軸に展開するこのギリシャ悲劇は、いつの時代でも、たくさんの国で上演され、または、小説・映画・オペラ・絵画などのモチーフになり、人間生活の支柱となってきた。今回は、『アウリスのイピゲネイア』も挿入された、アトレウス家の惨劇をサスペンスタッチかつスピード感に溢れた脚本で上演するわけだが、これまで多くの物語にみる戦争は、個人を苦しめる壮大な運命そのものであり、殺人は、個人が他者へ向けた愛の裏返しとして描かれることがほとんどであった。だが、今日では、愛から生まれた憎しみは、氾濫する情報を吸収し肥大化、やがて、復讐の連鎖となり、世界を包む。そんな時代に、私たちは“赦し”を見出すことはできるのだろうか。
この大きな問題を前に、今回の上演では、今を生きる私たちの刹那的な在り様を、このギリシャ悲劇に重ねてみたいと思う。そして、神が登場する“赦し”の場『慈しみの女神たち』では、現代のオレステスでもあり、私たちを写したかのような“神”を表出させたい。生田斗真のコメント
オレステイアに出演させて頂くことになりました。
演出家、上村聡史さんの作品をこれまで拝見してきて、いずれご一緒出来たらと思いを募らせていました。
敬愛する小川絵梨子さんが、2018年から新国立劇場の芸術監督を務めていらっしゃる事も、今回お話をお受けした理由の一つです。
敷居が高いと思われがちな古典作品を多くの方に楽しんでいただけるよう、一生懸命努めます。新国立劇場はとても綺麗な劇場ですので、毎日の通勤が今から楽しみです。
- イベント情報
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『オレステイア』
2019年6月6日(木)~6月30日(日) 会場:東京都 初台 新国立劇場 中劇場演出:上村聡史 原作:アイスキュロス 作:ロバート・アイク 翻訳:平川大作 出演: 生田斗真 音月桂 趣里 横田栄司 下総源太朗 松永玲子 佐川和正 チョウ ヨンホ 草彅智文 高倉直人 倉野章子 神野三鈴 料金:S席8,640円 A席6,480円 B席3,240円
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