12月19日放送のドラマ『東野圭吾 手紙』の追加キャストが発表された。
『東野圭吾 手紙』は、映画化、舞台化もされている東野圭吾の小説『手紙』をもとにした作品。強盗殺人犯の弟という運命を背負った武島直貴が、周囲の差別や偏見に苦しみながらもやがて自分の家族を持つまでの軌跡を、兄弟の手紙を通して描く。主人公・直貴役に亀梨和也がキャスティング。監督は深川栄洋が務めた。
今回発表された追加キャストは、佐藤隆太と本田翼。佐藤は弟の直貴を大学に入れたい一心で強盗殺人の罪を犯し、刑務所から直貴に手紙を送り続けている剛志役、本田は直貴の仕事先で事務員として働き、後に妻となる由実子役を演じた。
佐藤は亀梨との初共演について「僕はたった3日の撮影だけでもしんどかったのに、亀梨さんは、この重いテーマの中で直貴というキャラクターに1か月間も添い続ける。本当に大変だろうなと思いました。そんなハードな精神状態の中でも集中力を持って、お芝居に対して真っすぐに向き合っていらっしゃるので、すごく気持ちがいい人だなと思いました。だから撮影が終わった時、『また今度、陽気な作品でも一緒にやりたいですね!』なんて話をしました」とコメント。
また初の母親役を演じた本田は「娘がケガをするシーンでは、6歳くらいの子どもの母親はどう対応するんだろう、もっと焦ったりするのかなと自分なりに考えて演じたのですが、本当に難しかったですね、想像するしかなかったので。だからまずは娘役の織音ちゃんにお母さんと思ってもらえるよう信頼関係を築きたいと思い、現場にいる時はできるだけ一緒に過ごすようにしました」と述べている。
佐藤隆太のコメント
「手紙」出演の話を聞いたときの気持ちについて
物語の重要なポイントになる大変難しい役どころだったので、本音を言うと少し怯みましたね、自分に務まるのだろうかと。でもキーになる役を演じられるのは役者としては嬉しいことなので、ありがたく参加させていただきました。剛志の出演パートは撮影の後半だったので、撮影を迎えるのがドキドキするというか、撮影に参加していないのに役のことが頭から離れない、何をしていても考えてしまうというのは、やはり作品の力が大きいのかなと思います。武島剛志について
すごく純粋で、弟思いの心優しいお兄ちゃん。自分に学がないこともわかっていて、とにかく“弟のために!”という一心。そこがすべての根っこになって、この物語は展開していきます。今回の役を演じるにあたって、剛志というキャラクターに対して考えることがたくさんありました。なぜこんなことをしてしまったんだろうという基本的なことから、彼には足りないところがあるのか、あるとすればそれはどういうところなのか、とか。監督とも話したのは、剛志は先のことに対して器用に考えられる人ではないかもしれないね、ということでした。不器用な人なのかな…シンプルな言葉で言ってしまうと。犯罪とは縁遠い存在に見える人でも、思いがけずそういう状況に転げ落ちていってしまう人はいるだろうし。切ない役どころですよね。剛志役を演じて大変だったことについて
限られた出演シーンの中で、剛志というキャラクターをどうやったら伝えられるかというところですね。最初はただ、本を読んで純粋に感じた弟(直貴)への思いを芝居に反映できればいいと思っていたのですが、自分では想像もつかなかったような芝居を監督が要求してくださって。ああなるほど、そういうことかと。監督はいろんな角度から物事を見ていらっしゃる方なので、気づかされることも多かったですね。それらを自分の中で消化して演じるのが面白くもあり、難しくもありました。亀梨との共演について
初共演だったのですが、ほとんどお話できなかったですね。2日間しかご一緒できなかったというのもありますが、ドラマでの間柄上、あまり話さない方がいいとお互い思っていたと思うので…。そんな中でも少し話したのは、本当にしんどいよね、ってことでした。僕はたった3日の撮影だけでもしんどかったのに、亀梨さんは、この重いテーマの中で直貴というキャラクターに1か月間も添い続ける。本当に大変だろうなと思いました。そんなハードな精神状態の中でも集中力を持って、お芝居に対して真っすぐに向き合っていらっしゃるので、すごく気持ちがいい人だなと思いました。だから撮影が終わった時、「また今度、陽気な作品でも一緒にやりたいですね!」なんて話をしました。視聴者へのメッセージ
原作はすごく有名ですし、映画にもなっているので、多くのファンがいらっしゃる作品だと思いますが、ドラマ版の監督は新たな試みをされる方なので、また違った「手紙」という作品に仕上がるんじゃないかと僕自身も楽しみにしています。原作を読んだ方、映画をご覧になった方もぜひドラマ版「手紙」をご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。本田翼のコメント
原作の感想について
ドラマ出演のお話をいただく前から原作は好きで読んでいましたし、映画も見ました。犯罪者の家族というだけで迫害を受けてしまう現実を突きつけられたり、周りにそういう状況に置かれた人がいたら自分は普通に接することができるだろうかなど、人があまり考えたくない部分の問題提起をしているので、シンプルですが、とても考えさせられる作品だなという印象を持っていました。「手紙」出演の話を聞いたときの気持ちについて
ドラマは映画よりも現代風に描かれているのですが、時が経っても、現代でも起こりうることを作品にすること自体に意味があるというか、差別されている側(加害者家族)からの視点のストーリーをプライムタイムで放送するというのは、かなり挑戦的だなと思いました。でも自分が原作を読んだ時に考えさせられたように、この作品はきっと視聴者の皆さんにとって自分の価値観をもう一度見つめなおすきっかけになると思うので、このような作品に参加できて嬉しかったです。由実子について
辛い過去はあるけど、それを絶対周りに悟らせない女の子。過去を認めつつ、そのうえで自分らしくしっかり生きている女の子だなと思いました。直貴に対しては、闇を抱えて自分と同じような経験をした彼を、初めはただ助けたかった。その一方で、一目惚れに近い恋愛感情も持っていたんだと思います。直貴と一緒に生きていくと決意するのも本当に大きな決断だと思います。迫害を受けることも覚悟のうえで、それでもこの人と生きていきたいという強い気持ちを持っている。意思が強く、生き様がかっこいいですよね。言い方を変えれば頑固とも言えるかもしれませんが…私にも似た部分はあるかもしれないです。由実子役を演じるうえで心がけていたことについて
今回、初めて母親役を演じさせていただいたのですが、そこが一番の悩みどころでした。娘がケガをするシーンでは、6歳くらいの子どもの母親はどう対応するんだろう、もっと焦ったりするのかなと自分なりに考えて演じたのですが、本当に難しかったですね、想像するしかなかったので。だからまずは娘役の織音ちゃんにお母さんと思ってもらえるよう信頼関係を築きたいと思い、現場にいる時はできるだけ一緒に過ごすようにしました。でも私、子どもは好きなのですが、今まであまり絡む機会がなく、知り合いにも小さい子がいないので、遊んだこともほとんどなかったんです。だから実際遊ぶとなるとどうしていいか…改めて母は強いな、母に感謝!と思いました。亀梨との共演について
初共演だったのですが、夫婦としてどう演じようかとか、夫婦はこんなふうに話すのかなとか想像しながら会話する中で、無邪気な部分が垣間見えたり、あと合い間で新聞を読んでいらっしゃったりしていたので、私がそれまで抱いていたイメージとは違いました。視聴者へのメッセージ
いろんな情報がたくさん拡散している時代に、何かを考えるきっかけだったり、1つのことに対して深く考えさせてくれる作品だと思うので、ぜひドラマを観ていただき、共に考えてもらえたらと思います。田辺勇人(テレビ東京)プロデューサーのコメント
ドラマの主人公・直貴の人生を大きく変える2人のキャストが解禁となりました。
弟を想うがゆえに強盗殺人を犯してしまう兄の剛志に佐藤隆太さん。短いシーンの中に凝縮された感情の発露、優しくもあり無慈悲にも聞こえる手紙を読む声。佐藤さんにしか表現できない方法で、難しいとは一言で言い切れない複雑なキャラクターの剛志を演じ切って頂きました。
そして、自分も辛い過去を持ちながら、強盗殺人犯の弟という運命を背負う直貴を支え続ける由実子を演じるのは本田翼さん。兄弟を繋ぐ人物として存在する表現の濃度、優しさと強さ、はかなさを持った初めての母親役。制作陣の期待を遥かに超えた今まで見たことのない本田さんを視聴者の皆さんは目の当たりにすることでしょう。
主演の亀梨さんを始め、誰一人欠けてもこのドラマは完成しませんでした。今なら断言できます。いよいよ一か月後放送となりました。キャスト・スタッフ全員の想いが込められた作品に仕上がりましたので、ぜひ多くの人に見て頂けると嬉しいです。
最後に、このドラマは決して「答えのある物語」ではありません。ある意味無責任なことかもしれませんが、視聴者の皆さん1人1人に「手紙」を送るつもりです。何か小さなことでも考えたり、行動するきっかけになれば幸いです。どうぞご覧ください。
追伸
あっ!と驚く情報もこれからお届けします!お楽しみに!
- 番組情報
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『ドラマスペシャル「東野圭吾 手紙」』
2018年12月19日(水)21:00~テレビ東京ほかで放送監督:深川栄洋 原作:東野圭吾『手紙』(文春文庫) 脚本:池田奈津子 音楽:福廣秀一朗 出演: 亀梨和也 佐藤隆太 本田翼 広瀬アリス 中村倫也 高橋努 眞島秀和 西田尚美 渡辺いっけい 田中哲司 榎木孝明 小日向文世
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?