ドキュメンタリー映画『NO SMOKING』が11月から東京・シネスイッチ銀座、渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開。今回の発表とあわせて特報と場面写真が公開された。
細野晴臣のデビュー50周年を記念する同作は、幼少期の音楽との出会いや、はっぴいえんど、YMO、ソロとしての活動など細野の足跡を辿るもの。作年の台湾公演を皮切りに、イギリス・ロンドン、アメリカ・ニューヨーク、ロサンゼルスで開催されたワールドツアーの模様も映し出される。
出演者は細野に加えてバンドメンバーの高田漣、伊賀航、伊藤大地、野村卓史や、ヴァン・ダイク・パークス、マック・デマルコ、水原希子、水原佑果、ロンドン公演に参加した高橋幸宏、小山田圭吾、坂本龍一ら。監督は佐渡岳利が務めた。
特報では、細野が「楽しいことがやりたい」と語る様子や、コントに挑戦する場面、煙草、珈琲と共に散歩する姿などが確認できる。場面写真には、インタビューを受ける細野の姿や、ワールドツアーの模様が写し出されている。
さらに11月30日と12月1日には『細野晴臣 音楽活動50周年記念オフィシャル・プロジェクト』として東京・有楽町の東京国際フォーラム ホールAで公演を実施。11月30日は『Day1 細野晴臣 50周年記念特別公演』、12月1日は『Day2 細野晴臣 イエローマジックショー3』となる。チケットの最速先行予約は8月27日まで受付中。
細野晴臣のコメント
自分の映画が出来上がって上映されるとは夢のようですが、同時に悪夢だとも思えます。何故生きている間にこんなことになったのかといえば、今年になって50年も音楽生活を続けてきたせいでしょうか。このような映画を自分で作ることはできません。製作陣の熱意があってこそ実現したものであり、自分も観客のひとりとして見ることになります。しかし到底客観的な評価などできるはずもありません。どうか見た人が少しでも得ることがあるように、と祈るばかりです。
タイトル『NO SMOKING』について
世界中を旅して最も感じたことは、当然のことながらどこもNO SMOKINGだったということです。しかしそれは屋内のこと。外ではほぼ喫煙OK。意外と寛容なところがありました。紐育、倫敦では路上ポイ捨てが常識で、それに馴染めずに自分は携帯灰皿を持ち歩いたのです。それを見た土地の人から「礼儀正しいね、でも吸い殻を清掃する業者の仕事を奪う」ってなことを言われました。なるほどそういうこともあるのか。その携帯灰皿を紐育で紛失し、買い求めようとしたらどこにも売ってません。あれは日本独自のものらしい。仕方なく紙コップを持ち歩きました。日本の路上禁煙は珍しい例だそうです。香港はブロック毎に大きな灰皿が設置してあり、喫煙率が高そう。長旅でホテルに泊まれば、ぼくは1時間毎に外の喫煙所へ出ることになり、それはかなり苦痛なことです。部屋で吸えば高額な罰金を取られますから。世界が歩調を揃えているこの禁煙法には違和感を持ちつつも、逆らうことはできません。ですから人に迷惑がかからないことを念頭に、周囲を見渡しながら喫煙を心がけているわけです。喫煙所さえあれば一安心。こうしてNO SMOKINGの世界でSMOKERを自認するのは、ひょっとするとタバコをやめるよりも意志の強さが必要となります。煙を吐くだけで差別され、否応なく少数派の立場に立たされるのですから。「詭弁を言わずにやめたら?」と言われます。いやいや、20世紀の文化を支援してきた紫煙に、突然愛想をつかすわけにはいかないのです。佐渡岳利監督のコメント
YMOに衝撃を受けた少年時代から仕事をご一緒させていただく今に至るまで、細野さんを「スゴい!」と思い続けてきました。私と同じ思いの方には、その再確認ができて、初めて細野さんに出会った方には我々と同じ思いになれる映画にしたいなと思います。カッコ良くて、カワいくて、音楽を心から大好きな細野さんに、是非会いにきてください。
- 作品情報
-
『NO SMOKING』
2019年11月からシネスイッチ銀座、ユーロスペースほか全国で順次公開監督:佐渡岳利 音楽:細野晴臣 出演: 細野晴臣 ヴァン・ダイク・パークス 小山田圭吾 坂本龍一 高橋幸宏 マック・デマルコ 水原希子 水原佑果 配給:日活関連リンク
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?