卯城竜太(Chim↑Pom)と松田修の著書『公の時代――官民による巨大プロジェクトが相次ぎ、炎上やポリコレが広がる新時代。社会にアートが拡大するにつれ埋没してゆく「アーティスト」と、その先に消えゆく「個」の居場所を、二人の美術家がラディカルに語り合う。』が、本日9月24日に刊行された。
ウェブ版『美術手帖』での連載を全面改訂し、「新たな論」として書籍化したという同書。大規模なアートフェアや芸術祭に率先して「配置」されるアーティスト、民営化されてマジョリティーしか入れなくなった公園や広場といった「個と公」の問題を、ブラックボックス化した大正期の前衛アートを手がかりに探る。
同書には著者の卯城竜太、松田修に加え、津田大介、青木淳、福住廉が参加。また『あいちトリエンナーレ2019』の検閲・展示中止を受けた対談も急きょ追加されている。
卯城は同書で「なぜ僕らがそれほどまでに幅広くいろんな集団や容れ物を『公』と呼びたかったのか。それがいったい何を示唆しているのか、だんだんとわかるようになってきたのは、僕らが自らを『私』ではなく、『個』として捉えることにこだわりを持っていると気づいてからだった」と述べている。
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