ローランド・エメリッヒ監督の新作映画『MIDWAY(原題)』が2020年秋に東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開される。
『インデペンデンス・デイ』などで知られるエメリッヒ監督が「今、自分たちが謳歌している自由のために戦ってくれた人たちのことを伝えたい」という思いから、約20年のリサーチをもとに約120億円の製作費をかけて完成させた同作。山本五十六率いる艦隊による真珠湾攻撃や、日本軍とアメリカ軍のミッドウェイ海戦での激しい戦い、アメリカ軍の友情、勝利を得るための決意と犠牲が描かれる。
山本五十六役に同作がハリウッド初出演作となる豊川悦司、日本軍の山口多聞役に浅野忠信、南雲忠一役に國村隼がキャスティング。アメリカ軍のエリートパイロットのディック役をエド・スクライン、戦艦エンタープライズの艦長ハルゼー役をデニス・クエイド、ニミッツ最高司令官役をウディ・ハレルソン、レイトン少佐役をパトリック・ウィルソンが演じる。
10月20日にはアメリカ・ハワイのパールハーバーにあるヒッカム海軍基地で同作のプレミアイベントが開催。エメリッヒ監督をはじめ、出演者のウディ・ハレルソン、デニス・クエイド、エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、豊川悦司が参加した。
完成した映画を観た豊川は「素晴らしい映画だったと思います。エンターテインメントとして、そして戦争というものに対する客観性、メッセージ性を含めてとてもバランスの取れた作品です。こういう題材ではあるけれども素直に楽しめたし、映画の中に入り込めたし、その映画に参加させてもらって本当にうれしい作品になっていたと思いました」と喜びを語った。また日本の観客へのメッセージとして「1本の映画として楽しんで頂ければと一番は思っています。全部本当にあった話ですが、本当にディテールも脚本家や監督が一つ一つに嘘が無いように膨大なリサーチの上に成り立って、この<ミッドウェイ>という戦いを描いています。それでもあれから70年以上が経ち、戦争を知らない世代の僕らが作品の観客になることによって、本当にあった戦争というものを自分の実体験のように感じ取って、色々な自分なりの解釈や思いを考えてもらえれば良いと思います。まずは素直に一人の観客になってこの映画を楽しんでもらいたいと思います」とコメント。
エメリッヒ監督は、豊川をはじめとする日本人キャストを起用した経緯について「スコセッシ監督の『沈黙』でもキャスティングを担当した日本にいる女性プロデューサーに優れた俳優を紹介してもらった。言葉の問題も大きかったが、すばらしい経験だった」と語り、彼らの演技について「映画を見たアメリカ人俳優もみんな感心していた。共演シーンがないから日本側の部分は知らないので、初めて試写をした時に何度も耳にしたのは、日本人俳優たちを絶賛する声だった」と述懐。また映画に関して「戦争に勝者はなく敗者しかいない。命が失われるからだ。だからこそ、この映画を日米双方の海兵たちに捧げたのだ。戦争が再び起きてはならないと伝えたい」と自身の思いを明かしている。
- 作品情報
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『MIDWAY(原題)』
2020年秋公開TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開監督:ローランド・エメリッヒ 脚本:ウェス・トゥック 出演: エド・スクライン パトリック・ウィルソン ウディ・ハレルソン マンディ・ムーア ルーク・エヴァンス 豊川悦司 浅野忠信 國村隼 デニス・クエイド 上映時間:138分 配給:キノフィルムズ/木下グループ
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