クリント・イーストウッド監督の新作映画『リチャード・ジュエル』の場面写真が公開された。
2020年1月17日に日本公開される同作は、1996年に実際にアトランタで起こった爆破テロ事件に基づいた作品。爆弾を発見したことで多くの人命を救うも、容疑者として逮捕されてしまう警備員リチャード・ジュエルが、事件の捜査に異を唱える弁護士ワトソン・ブライアント、息子の無実を信じる母ボビーと共にFBI捜査局やメディアに立ち向かう姿が描かれる。
リチャード・ジュエル役にポール・ウォルター・ハウザー、ワトソン・ブライアント役にサム・ロックウェルがキャスティング。リチャードの母親ボビー役をキャシー・ベイツ、リチャードに疑いの目を向けるFBI捜査官役をジョン・ハム、女性記者キャシー・スクラッグス役をオリビア・ワイルドが演じる。脚本をビリー・レイが担当。製作にはレオナルド・ディカプリオらが名を連ねる。
公開された場面写真には、涙を流す母ボビーを抱きとめるリチャードと、2人を見つめる弁護士ワトソンの姿が写し出されている。
日本時間の11月21日に行なわれたワールドプレミアでは、クリント・イーストウッド監督をはじめ、主演のポール・ウォルター・ハウザー、サム・ロックウェル、ジョン・ハム、キャシー・ベイツらが登壇。作品の公開に向けてコメントを寄せた。
クリント・イーストウッドのコメント
リチャード・ジュエルという人物を題材にしたことについて
ジュエルは、ひどい悲劇の犠牲者だったからだよ。彼は、「疑わしきは罰せず」という扱いを受けなかった。彼は、適切な調査をされずに(犯人だと)判断されたんだ。それは、憲法に反することだし、僕らが信じているすべてのことに反している。
作品を公開する理由について
今世界で起きているのととても似たことだからだよ。人々は、ちゃんと確認する前に、早まった判断をするんだ。
ポール・ウォルター・ハウザーのコメント
作品について
僕はこの映画が大好きだよ。僕にとってものすごく大切なものだ。クリントと仕事をするのは喜びだったし、とても奥行きのあるキャラクターや意義のあるストーリーを語るのは喜びだった。
作品が公開されることについて
僕は多くの観客がこの作品を楽しんでくれることにとても興奮している。人々は一礼して(映画館を)後にするよ。そして自身、それか誰か知っている人をリチャード・ジュエルの中に見出すんだ。(今ここに)リチャードが僕らと一緒にいて、僕らと一緒に祝うことが出来たらよかった。彼の魂はここにいるよ。そして、彼の母親がここにいる。
作品と今の社会の関連について
残念なことに、この映画はいつも今日的な意味を帯びている。僕らが同じ間違いを犯し続けている限りは、歴史は繰り返されるんだ。FBIのようなグループの人々は、もっとちゃんとわかっているべきだ。リチャード・ジュエルは、88日間も捜査をして何も見つからなかったうえに、彼の人生を台なしにしたんだ。この映画はそれを明らかにすると思う。歴史と真実に光を当てているんだ。だから僕らは今夜ここにいるんだ。リチャード・ジュエルを称賛し、彼のストーリーを語るためにね。
- 作品情報
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『リチャード・ジュエル』
2020年1月17日(金)から全国で公開監督:クリント・イーストウッド 脚本:ビリー・レイ 原作:マリー・ブレナー『American Nightmare―The Ballad of Richard Jewell』 出演: サム・ロックウェル キャシー・ベイツ ポール・ウォルター・ハウザー オリビア・ワイルド ジョン・ハム 配給:ワーナー・ブラザース映画
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