映画『星の子』の製作が決定。2020年に公開予定であることがわかった。
『むらさきのスカートの女』で『第161回芥川龍之介賞』を受賞した今村夏子の同名小説をもとにした『星の子』の主人公は、両親から深い愛情を受けて育てられた中学3年生のちひろ。思春期を迎えて成長していくちひろが、ちひろの病気を奇跡的に治した「あやしい宗教」を信じる両親と暮らす自分の世界を疑い始める姿を描く。
主人公のちひろ役を演じるのは芦田愛菜。監督と脚本を『日日是好日』『タロウのバカ』の大森立嗣が務める。
発表とあわせて芦田愛菜、大森立嗣監督、原作者の今村夏子のコメントが公開。芦田は「私が演じさせて頂くちひろは、少しずつ自分の環境に違和感を感じつつも、悩みながら素直に物事をうけとめて真っ直ぐに生きている女の子だと思います。これからちひろをどんな風に演じていくか、そしてこの映画の中で“信じる”という事は何なのか?ちひろと共に探していきたいと思います」と意気込みを語っている。
大森監督は「『星の子』という小説を読んで思ったのは、自分のことを置いといてでも人を思う気持ちです。敏感で多感な14歳の少女は風に揺れながら、飛んでいってしまいそうな小さな体で立っています。それでも自分のことのように人を思うのです。これなんだろう? と思ったら、優しさでした」、今村は「信じる、信じない、の狭間にあるこの物語を、映画という形で味わえること、とても楽しみにしています。私が掴み損ねたかもしれない、ちひろの心の深部に映像を通じて触れられるのではないかと今から期待しています」と述べている。
撮影は12月から1月にかけて実施予定。なお『星の子』のオフィシャルサイトではエキストラを募集している。
芦田愛菜のコメント
原作を読ませて頂いて、信じるという事について深く考えました。
自分の考えとは違うと思っていても、大切な人の考えを信じてみようと思ったり・・・・
正しいか間違っているかの判断だけでなく、人はその人と、その周りをとりまく環境や人の想いによって見え方が変わってしまったり・・・・
誰かを、何かを、たとえそれが自分の大切な人でも迷わず信じ続けることはとても難しい。そう感じました。
私が演じさせて頂くちひろは、少しずつ自分の環境に違和感を感じつつも、悩みながら素直に物事をうけとめて真っ直ぐに生きている女の子だと思います。
これからちひろをどんな風に演じていくか、そしてこの映画の中で“信じる”という事は何なのか?
ちひろと共に探していきたいと思います。大森立嗣監督のコメント
『星の子』という小説を読んで思ったのは、自分のことを置いといてでも人を思う気持ちです。
敏感で多感な14歳の少女は風に揺れながら、飛んでいってしまいそうな小さな体で立っています。
それでも自分のことのように人を思うのです。
これなんだろう? と思ったら、優しさでした。
この映画が清涼な一陣の風のように、皆様を優しさで包み込むようになればと思っています。今村夏子のコメント
この小説を書いた後、私の信仰の有無について訊かれる機会が何度かありました。信仰に限ったことではありませんが、私は「信じる者」でも、「信じない者」でもありません。「信じたいのに、信じることができない者」であり、「信じていたことが、だんだん信じられなくなってくる者」です。信じる、信じない、の狭間にあるこの物語を、映画という形で味わえること、とても楽しみにしています。私が掴み損ねたかもしれない、ちひろの心の深部に映像を通じて触れられるのではないかと今から期待しています。
- 作品情報
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『星の子』
2020年全国公開予定監督・脚本:大森立嗣 原作:今村夏子『星の子』(朝日文庫、朝日新聞出版) 出演:芦田愛菜 配給:東京テアトル、ヨアケ
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?