石井裕也監督の新作映画『生きちゃった』が来年公開される。
石井裕也監督のオリジナル脚本作品となる『生きちゃった』の主人公は、平凡だがそれなりの生活を送る山田厚久。会社を早退して帰宅した厚久が、妻が見知らぬ男と情事に耽っていたのを目撃したことをきっかけに、厚久と妻、厚久の幼なじみ・武田の関係が歪み、予期せぬ展開に向かっていくというあらすじだ。
5歳の娘がいる主人公の厚久役に仲野太賀、武田役に若葉竜也がキャスティング。2人は『南瓜とマヨネーズ』以来の共演となる。
なお、6月に『上海国際映画祭』で発表されたプロジェクト『原点回帰。至上の愛』の一環で製作された同作は、『All the Things We Never Said』の英題で中国、香港、台湾、マカオなどで公開される。
石井裕也監督のコメント
忖度や制約ゼロ、完全なる自由の中で映画を作ったらどうなるのか? 強度の高い傑作になるのか、はたまた独りよがりの映画になるのか。大いに興味が湧き、このプロジェクトを引き受けました。
「作りたい」という衝動と熱が何より大切だと思ったので、脚本は3日間で一気に書いて、信頼している仲間を急いで集めて、やると決めてから2ヶ月でクランクインしました。まるで自主制作映画のように夢中になって撮影しました。おカネも時間もなかったですが、とにかくみんなでフルパワーを出し合って捨て身でこの映画を作りました。出来上がったのは、俳優たちの凄まじい本気と魂が感じられる剥き出しの映画です。仲野太賀のコメント
本当のことが言いづらいこの世界で、懸命に生きる父親を演じました。愛について真っ向から挑んだ、人間回帰の物語です。
若葉竜也さん、そして尊敬する石井裕也監督と共に、胸が張り裂けるような日々を過ごして作った今作が、きっと誰かを勇気づけると信じています。僕自身にとって、生涯大切にしたい映画になりました。若葉竜也のコメント
オファーをもらい、台本を開いた時、石井裕也監督からの「果たし状」をもらったような気分でした。
「死ぬ気で来てよ。」って。
「生きちゃった」の台本にはそれだけの気迫があったし、役者の端くれとして「やらない」という選択肢はなかった。
毎日、全シーン、全カット、心血込めてやりました。
そしたら、、すごいラストシーン、撮れちゃった。
- 作品情報
-
『生きちゃった』
2020年全国公開監督・脚本:石井裕也 音楽:河野丈洋 出演: 仲野太賀 若葉竜也 ほか 配給:フィルムランド
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?