映画『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』について、キャストのクリステン・スチュワートとローラ・ダーンおよび著名人がコメントを寄せている。
2月14日から公開される同作は、映画『サラ、いつわりの祈り』の原作者として知られる少年作家J・T・リロイの真実と裏側を描く作品。J・T・リロイはサヴァンナとローラの2人の女性によって創作された架空の作家で、映画はローラに言われるがままに何年もJ・T・を演じ続けたサヴァンナの視点から物語が展開される。サヴァンナ役にクリステン・スチュワート、ローラ役にローラ・ダーンがキャスティング。
クリステン・スチュワートは、「サヴァンナは人間としても素晴らしい人だと思ったの。だから大好きだった。すごく広い心を持った優しい人だと感じた」とコメント。ローラ・ダーンは「私の場合も、ローラに深く共感できたことが大きい。だからこそ、この役を演じたいと思ったし、なぜ自分が共感できるのかを、その過程で探求したかった。彼女が、なぜこんなことをしてまで、人に自分の声を聞いてもらいたい、見てもらいたいと思ったのかを理解したかった」と述べている。
そのほか今回コメントを寄せたのは、辛酸なめ子、土屋アンナ、金原瑞人、森直人、嶽本野ばら、山崎まどか、みうらじゅん。辛酸なめ子が描き下ろしたイラストも到着した。
同作には、ジム・スタージェス、ダイアン・クルーガー、コートニー・ラヴもキャストに名を連ねているほか、ジャスティン・ケリーがメガホンを取り、サヴァンナ・クヌープと共に脚本を手掛けた。
クリステン・スチュワートのコメントのコメント
サヴァンナは人間としても素晴らしい人だと思ったの。だから大好きだった。すごく広い心を持った優しい人だと感じたわ。本当にあり得ないくらい頭が良くて、ものすごく個性的で、変わったところもある人だと思う。そのことは、心から愛を込めて言いたい。
ローラ・ダーンのコメント
私の場合も、ローラに深く共感できたことが大きいわね。だからこそ、この役を演じたいと思ったし、なぜ自分が共感できるのかを、その過程で探求したかった。彼女が、なぜこんなことをしてまで、人に自分の声を聞いてもらいたい、見てもらいたいと思ったのかを理解したかったのよ。ローラにとって、J・Tというのは、自分の抱える痛みや経験を表現する方法だった。作家として真実を伝える方法だったのだと思う。彼女を演じていると、彼女の悪意を感じるような場面すらあったけれど、それでも私はローラが大好きだった。サヴァンナのことも大好きだったわ。
辛酸なめ子のコメント
この映画を観て、存在しないはずのJ・T・リロイのファンになりました。ゴーストライターなどではなくJ・T・リロイのゴーストを降霊していたのだと思います。
真実に迫る作品が公開されたことで、彼もきっと成仏できることでしょう。土屋アンナのコメント
自分の存在価値を人に理解してほしいと誰もがおもうだろう。私を知ってほしい。そう彼女が自分の苦しい過去を誰かに知ってもらう為に選んだ方法はとてもアーティスティックで夢がある。アーティストとして凄く引き込まれる作品だ。
金原瑞人のコメント
架空の作家リロイ、それを創造したローラ、さらにリロイのアバターのサヴァンナ。
この3人が錯綜するこの映画は、驚くほど現代的で、鋭く「わたしとは?」「あなたとは?」と問いかけてくる。森直人のコメント
J・T・リロイという孤独な女性の内側から立ち上がった“プロジェクト”は不器用なまでに純粋だった。
救済された魂の愕きを体現するローラ・ダーンは、かつて実際に会ったローラ・アルバートに本当によく似ている。嶽本野ばらのコメント
クリステンのモードがクールでコートニー・ラヴも出てHOLEが流れて今、作品と作家であることへ僕らはどう向き合う?課題すら解決し「神に背いた少年」が蘇る……。
世の中、捨てたもんじゃないです。山崎まどかのコメント
作者も、読者も、群がるセレブリティもみんな“J・T・リロイ”という美少年のファンタジーを求めていた。内幕を描いた本作からは、求められた側の虚しさと孤独が伝わる。
みうらじゅんのコメント
誰よりも“期待に応えたい”という煩悩が強くなければ有名人なんかには成れない。自分に行き詰り、架空の自分を作り上げるのは当然のこと。でも、それが行き過ぎると世間にお叱りを受ける。これも有名人の成せる業である。
- 作品情報
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『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』
2020年2月14日(金)から新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開監督:ジャスティン・ケリー 脚本:ジャスティン・ケリー、サヴァンナ・クヌープ 原作:サヴァンナ・クヌープ 出演: クリステン・スチュワート ローラ・ダーン ジム・スタージェス ダイアン・クルーガー コートニー・ラヴ 上映時間:108分 配給:ポニーキャニオン
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Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?