東京・渋谷の共同体スペース「渋家」が4月末までに現在の拠点を閉所し、退去することが発表された。
渋家は、アーティスト、DJ、クリエイターらが集うプロジェクトスペースとして2008年に始動。これまでにとしくに(huez)、ちゃんもも◎、小林健太、毒kinokopink、中島晴矢、佐藤栄祐(TAV GALLERY)らを輩出している。現在の一軒家は2011年から4軒目の拠点として入居。毎月22日に行なわれているホームパーティーは通算100回を超え、地下・クヌギでのDJや、美術展、トークイベントなどを実施している。2018年には10周年記念イベントを「MAGNET by SHIBUYA109」の屋上で開催。
今回の退去は、賃貸物件として賃貸借契約の更新交渉で合意に至らなかったために決定したという。渋家14代目代表のayano_chan(のち)は、「いままで渋家に関わってきた人たちの、数え切れない感情を、『お金がなくて渋家がなくなります。』の一言で宙に浮かせるなんて、やるせいない。まだ、何者にもならない劣等感を抱えながらも、馬鹿に遊んで、馬鹿に喧嘩して、馬鹿に騒いで、必死にもがいて必死に生きていたい。何者かになれるのを、諦められない。渋家、引っ越します」と表明している。
発表とあわせて渋家の特設サイトがオープン。歴代メンバーと、これまで渋家に携わった関係者から寄せられたコメントを随時公開している。また、新しい家の契約費と現在の家の修繕費など転居に必要な資金500万円の支援を募集しているほか、3月22日および4月22日のホームパーティーへの参加を呼びかけている。