秦基博の楽曲“在る”のPVが公開された。
4月3日から公開される映画『ステップ』の主題歌に起用された同曲。重松清の同名小説をもとにした『ステップ』は、30歳の若さで妻・朋子に先立たれた健一とその娘・美紀が、彼らを取り巻く人々との交流の中で成長していく姿を描いた作品だ。亡き妻への想いから男手1つで娘を育てることを決断する健一役を山田孝之、2歳から12歳までの美紀役をオーディションで選ばれた中野翠咲、白鳥玉季、田中里念がそれぞれ演じる。
PVの監督を務めたのは、『ステップ』でメガホンを取った飯塚健。同作のロケ地が舞台となり、秦基博本人と美紀役の白鳥玉季が出演しているほか、映画本編のシーンが挿入されている。秦が陸橋で歌唱するシーンではサビの部分で陸橋の下を電車が走る様子を収めることに成功したという。
飯塚監督はPVについて「とてもいいタイミングで電車が通るところを撮れたので、効果的な絵になっていると思います」と自信をのぞかせた。秦の演奏シーンについては「どんな場所で秦さんに歌ってもらおうかと考えた時に、妻を亡くした健一と美紀が再出発する場所じゃないと、何も撮れないと思った」「映画で美紀の成長に合わせて俯瞰で撮っていたあの場所以外で撮ることは、思いつかなかったですね。その場所で、見る人の背中を押すようなものが撮れればいいなと思っていました」「この場所で主題歌と映画がうまくリンクしたんじゃないかな」と語った。
秦は映画のキーとなる場所での撮影に「そこで自分が歌っているというのは、不思議な気持ちでしたが、とても嬉しかった」とコメント。“在る”の曲作りについて「映画を見させていただいた後、エンドロールにどんな曲が流れたら良いのかなというのをイメージしていて、それであのギターのフレーズだったり、歌詞のいくつかが出てきたという感じでした。そこから完成に至るまで、映画からいただいたインスピレーションをもとに楽曲が生まれていきました」と明かした。健一が妻を亡くしたことに代表される喪失感に制作の重きを置いたとい秦は、「誰かがいなくなってしまうこと、だけどそこに存在するということ、それは映画からすごく感じたことでした」と述べた。
また映画について「いろんな人にとって、それぞれの存在がどんな風にして『そこに在るのか』ということをすごく考えさせられる作品」「僕も『在る』という曲を書きましたが、自分でも考えることがたくさんあって、たくさんの人たちとの繋がりの中で今があるし、その先があるということを強く感じる映画だなと思いました」と評し、好きなシーンとして「健一が夜に家事とかやることを全部終えて、お酒を飲みながら妻の遺影に話しかける場面」を挙げた。
※新型コロナウイルス感染拡大を受けて公開延期になりました。
- 作品情報
-
『ステップ』
2020年4月3日(金)から全国公開監督・脚本:飯塚健 原作:重松清『ステップ』(中公文庫) 主題歌:秦基博“在る” 出演: 山田孝之 田中里念 白鳥玉季 中野翠咲 伊藤沙莉 川栄李奈 広末涼子 余貴美子 國村隼 ほか 配給:エイベックス・ピクチャーズ
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?