新国立劇場「巣ごもりシアター」の新企画「おうちで戯曲」が4月23日からスタートする。
「巣ごもりシアター」は、新型コロナウイルス感染症対策のため公演を中止している新国立劇場が、オペラ公演の無料配信を足掛かりとして4月10日から行なっているオンラインサービス。演劇部門による「おうちで戯曲」では、新国立劇場のために書き下ろされた戯曲を期間限定でウェブ公開していく。
ラインナップは、4月23日15:00から5月7日14:00まで蓬莱竜太『エネミイ』、早船聡『鳥瞰図』、4月30日15:00から5月14日14:00まで倉持裕『イロアセル』、長塚圭史『音のいない世界で』、5月7日15:00から5月21日14:00まで蓬莱竜太『まほろば』、鄭義信『焼肉ドラゴン』、5月14日15:00から5月28日14:00まで長塚圭史『かがみのかなたはたなかのなかに』、鄭義信『赤道の下のマクベス』。5月21日15:00から6月4日14:00の公開作品は後日発表される。
小川絵梨子演劇芸術監督のコメント
新国立劇場演劇から、「巣ごもりシアター」“おうちで戯曲”をお届けいたします!
お家で演劇の世界を楽しんで頂きたいとの思いから、これまで新国立劇場に書き下ろされた数々の戯曲を、“戯曲”家(劇作家)の方々のご厚意とご協力を得て公開致します。
新国立劇場演劇では、権利関係や音楽著作権などの問題があり公演映像のネット配信が難しいところがあります。
そこで、演劇の土台であり、稽古場での設計図でもある、大切な「戯曲」に、是非この機会に触れて頂けたらと思いました。公開に当たり、ご快諾下さった方々に、心より感謝申し上げます。
戯曲を初めて読む!という方に、僭越ながら、例えばこんな風にも戯曲を読める!というご提案として・・・・
1)気負わず楽しんで読む
2)舞台化を想像しながら読む
3)俳優になって、好きな役を選び、一人の人物になりきって読む
4)演出家になって、具体的に配役や舞台美術などなどについて、アイデアを巡らせながら読む
5)短いセクションで区切って、そこを繰り返し読み、行間にどんなドラマがあるのか想像しながら読むなどなど。
個人的なことですが、自分が演出をする際は戯曲の存在が非常に大きく、戯曲に頼って、戯曲に助けられて、戯曲に教えてもらって、戯曲に楽しませてもらっています。戯曲があるから作品を作れるし、作りたいと思う事ができています。
「戯曲」の豊かさや楽しさを、共に感じて頂けましたら幸いです。
小川絵梨子