映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』が10月9日から東京・新宿シネマカリテ、渋谷のCINE QUINTOほか全国で公開される。
映画製作スタジオのA24とプランBが『ムーンライト』以来となるタッグを組んで贈る同作の舞台は、急速な発展によって地価が高騰し、多数の富裕層が住むようになったことで先住者が行き場を失っていたアメリカ・サンフランシスコ。そこで生まれ育ったジミーは、祖父が建て、家族と暮らした記憶が残るヴィクトリアン様式の家を愛していたが、現在の家主が家を手放すために売りに出していることを知り、「この家に再び住みたい」と願って奔走するというあらすじだ。『サンダンス映画祭2020』監督賞、審査員特別賞を受賞し、バラク・オバマ前アメリカ大統領が選ぶベストムービーにも選出されている。
監督を務めるのは、同作が初の長編作品となるジョー・タルボット。幼なじみのジミー・フェイルズの体験をもとにロブ・リチャートと共に脚本を手掛けた。主人公のジミー役をジミー・フェイルズが自ら演じ、ジミーの思いを支える友人モント役にジョナサン・メジャースがキャスティング。
日本公開発表とあわせて予告編とポスタービジュアルが公開。汽笛の音が鳴り響く街をジミーとモントがスケートボードで駆け抜けるシーンから始まる予告編には、ヴィクトリアンハウスを見つめる2人の様や、「じいさんが建てた家だ、サンフランシスコで最初の黒人だった」という言葉、家にペンキを塗るジミーを見つけた女性が「私の家を塗ってる、勝手なことしないで」と物を投げつけるシーン、「クソな街だよね」と吐き捨てる女性にジミーが「この街を憎まないで」と呟く場面、モントが「そばにいるよ」とジミーを抱き締める様、「たとえ最後の一人になってもこの街で生きる」という言葉、ジョー・タルボット監督の「多くの財産を持たなくとも、心の中に大切な居場所とかけがえのない友がいる。それだけで人生はそう悪くないはずだ――」というメッセージなどが確認できる。
イラストが使用されたポスタービジュアルには、「何もない。だけど、僕にはこの街がある。」というコピーが添えられている。
- 作品情報
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『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
2020年10月9日(金)から新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国で公開監督:ジョー・タルボット 脚本:ジョー・タルボット、ロブ・リチャート 原案:ジョー・タルボット、ジミー・フェイルズ 音楽:エミール・モセリ 出演: ジミー・フェイルズ ジョナサン・メジャース ロブ・モーガン ダニー・グローヴァー 上映時間:120分 配給:ファントム・フィルム
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Crossing??
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