ヌトミックの音楽作品『Our play from our home』が本日6月12日19:00にBandcampで公開された。
2016年に結成されたヌトミックは、作曲家の額田大志(東京塩麹)が主宰を務める演劇カンパニー。約20時間におよぶ同作は4人のメンバーの自宅の生活音と19個の「play」で構成された作品で、それぞれの起床時間から就寝時間までをほぼノーカットで収録している。録音は5月に行なわれた。
出演者はヌトミックの河野遥、長沼航、原田つむぎ、深澤しほ。作曲は額田大志が手掛けた。各トラックにつけられたタイトルは、録音された時刻とトラック内の聴きどころを擬音語で表しているとのこと。
『Our play from our home』における「play」とは、演奏すること、演じること、話しかけることなど「その場にいない、誰かに向けた行為」を意味しており、1人での演奏や、複数人による演奏など生活音に潜む様々なplayが収録されている。一部の「play」を除き、メンバーもお互いの状況を確認することができない中で録音を進めたという。
額田大志のコメント
「歴史に載ることがない記録」を残すために、日常生活の録音を始めた。
刺激的で快楽的な情報からは程遠い。しかし、確かに同時代を生きている私たちの記録を残しておきたい。これは歴史の教科書には掲載されない「その他大勢」の私たちが、どのように2020年5月を生きていたかの録音である。
一方、本作は「記録」であると同時に「上演」でもある。
20時間に及ぶ膨大な録音の中に、私たちは19個の「play」を潜ませた。「play」は遊びであり、演奏であり、演劇である(そして、それ以外にも無数にある)。私たちが上演だと考えるありとあらゆるものが、この録音の中には潜んでいる。
私たちにとって、今できる「上演」はここにある。これから先、どのような事態が待ち受けていても、私たちは上演を続けていくだろう。