新宿東口駅前広場が7月19日にオープンする。
ルミネと東日本旅客鉄道が新宿東口駅前を美化整備するため共同で手掛ける新宿東口駅前広場は、ニューヨークで活動する松山智一が監修、制作したパブリックアートを中心としたコミュニティースペース。地元の人々の憩いの場、国内外から新宿を訪れる人々のランドマークとして、「グローカル」な交流が生まれることを目指すという。
広場全体のコンセプトは「都会」を意味する「Metro」、「自然」を意味する「Wild」、「当惑」を意味する「Bewilder」の3つを合わせた造語「Metro-Bewilder」。中央には「花束を持っている少年」をモチーフにした7メートルの巨大モニュメントが設置されるほか、床のグラフィックアートは、様々な国の花や時代の意匠柄を融合させたランドアートとなる。
松山智一の起用理由には、松山の作品の特徴でもある「西洋と東洋」「古典とポップカルチャー」などの相反する要素を「サンプリング」するスタイルが新宿の「オフィス街と繁華街が共存し、世界中の多種多様な人が集まるカオス感」の表現に適していることなどを挙げている。
広場の完成にあたっては、ベンチが組み込まれたR状の壁や、彫刻足元の台座部分、植栽部分のデザイン、各種素材の提案など、アートと建築がひとつになるように、松山のラフプランをもとに大野力(sinato)が全体の建築デザイン設計を担った。
松山智一のコメント
今回のパブリックアート制作には、ミクロとマクロの2つの視点でのコンセプトがあります。ミクロな視点では、この場所が、これまであまり活用されていない場であったものの、見るアングルによっては“東京らしさ”を発見できる場所なので、この場所をテーマに「Metro-Bewilder」(メトロビウィルダー)という造語を作成し、新宿の大都会の中に自然をアートとくっつけて“訪れる人達に驚きを提供する“というコンセプトです。マクロな視点では、新宿は世界で一番の交通量があり、世界中から商業・文化・飲食などを求めて訪れる場所であると同時に、いまだにローカルカルチャーが根付いている場所でもあります。これは東京でもなかなかないことで、グローバルとローカルが共存しているからこそ喧騒感があり、個性がある、新宿のキャラクターが生まれているので、このローカルとグローバル=グローカルをコンセプトにプランニングしました。