記録映画『わたしは金正男を殺してない』10月公開　暗殺事件の真相とは

映画『わたしは金正男を殺してない』が10月10日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で公開される。

『サンダンス映画祭2020』でプレミア上映された同作は、金正男暗殺事件の真相を追ったドキュメンタリー。金正男殺害の容疑で逮捕されたシティ・アイシャとドアン・ティ・フォンの無罪を信じる弁護団が、証拠を積み上げていくうちにやがて「有名になりたい」「お金がほしい」と夢見る彼女たちに付け込み、SNSを通して罠を仕掛ける北朝鮮の工作員たちの姿に辿り着く様を描く。英題は『ASSASSINS』。

金正男暗殺事件は2017年にマレーシア・アラルンプール国際空港で発生。シティ・アイシャとドアン・ティ・フォンに猛毒の神経剤「VX」を塗られ、よろめきながらその場を立ち去った金正男の姿が空港の監視カメラに収められていた。金正男はその後に死亡が確認されたが、2人は「私は（SNSに投稿するための）いたずら動画を撮るために雇われただけで、雇い主の目的は一切知らなかった」と主張。マレーシア政府は2人を逮捕して拘置し、殺人罪で起訴した。

監督を務めたのは『おしえて！ドクター・ルース』『ジェンダー・マリアージュ ～全米を揺るがした同性婚裁判～』のライアン・ホワイト。監督は北朝鮮・平壌や逮捕された2人の故郷であるインドネシアとベトナム、裁判が行なわれているクアラルンプールの法廷を飛び回ったという。

発表とあわせて場面写真が公開。逮捕後に撮影されたシティ・アイシャとドアン・ティ・フォンの表情、「LOL」とプリントされテイルTシャツを着用した暗殺時の姿が写し出されている。