日本デザイン振興会「フォーカス・イシュー」のウェブサイトが本日10月1日にオープン。ディレクター座談会が公開された。
日本デザイン振興会は、主催事業である『グッドデザイン賞』2020年度受賞結果を同日10月1日に発表。今年はデザインにおいて他者や社会、環境などについて考え、それに応えることを示す「交感」をテーマに、審査対象の中から国内外のデザイナーや建築家、専門家など94人の審査委員による審査を経て1,395件の『グッドデザイン賞』受賞が決まった。また、長年にわたって人々から支持され続けてきた商品などのデザインに贈られる『グッドデザイン・ロングライフデザイン賞』も発表。
受賞対象には「グッドデザイン・ベスト100」の100件が含まれており、この中から「グッドデザイン大賞」など特別賞が10月30日に決まる予定。審査委員長は安次富隆(ザートデザイン)、審査副委員長は齋藤精一(Rhizomatiks Architecture)が務める。
2015年から始まった「フォーカス・イシュー」は、デザインがいま向き合うべき重要な領域を定めた取り組み。近年、急速に拡張・多様化するデザインの潮流に対して、複数のディレクターがそれぞれにテーマを設定、近年のデザイン動向を分析した上で社会課題の解決に向けた提言を行なうというのが主旨となる。
座談会には『グッドデザイン賞』審査委員から編成された内田友紀、川西康之、原田祐馬、ムラカミカイエ、山阪佳彦が参加し、今日の社会におけるそれぞれの関心から設定したテーマをもとに、今年度の『グッドデザイン賞』を俯瞰して読み解く。
安次富隆(ザートデザイン)審査委員長のコメント
今年度のグッドデザイン賞のテーマは「交感」です。
デザインにおいて他者や社会、環境などについて考え、想いを至らせるのはとても重要なことです。さらに、一方的に想うだけでなく、互いの感覚や感性、感思や感得を交えることが求められているように思います。審査においてもそのことを意識しながら、情報を読み解き想像することを心掛けました。優れたデザインは、私たちを惹きつけるメッセージを充分に発信していたと思います。齋藤精一(Rhizomatiks Architecture)審査副委員長のコメント
近年の傾向として、環境に関わる製品やサービスといった領域に多くの提案が見られましたが、今年は取り組みや開発の背景、素材、プロセス、ビジネスモデルなど、複眼的な観点から今まで以上に深い読み込みと議論を行うことで、グッドデザイン賞としてこれから世の中に波及を促すべきなのか?そこに企業や団体、業界の枠を超えた「交感」はしっかりと起きているのか?といった判断が成されました。結果として、我々が胸を張って世の中に送り出せるデザインを見つけられたと思います。