「無許諾音楽アプリ」の使用に関するアンケート調査結果をLINE MUSICが発表した。
これはLINEリサーチを使用して実施したもの。今年9月、日本在住の15歳から59歳の男女55083人を対象に事前調査し、本調査では有料サブスクリプションサービス最頻利用者2164人、無許諾音楽アプリ最頻利用者1389人の計3553人を対象に実施された。
質問項目は、「ここ3か月の音楽の楽しみ方」「以前は無許諾音楽アプリを使用していたが、現在は使用していない理由」「Music FMやMusic Boxといった無許諾音楽アプリのイメージは?」「無許諾音楽アプリを使っている理由」「使用している音楽アプリやサービスがアーティストにお金を払っていないとしたらどうするか?」「お気に入りのアーティストが、あなたが使っている音楽アプリに反対の意思を示したら?」といったもの。
「ここ3か月の音楽の楽しみ方」については、無許諾音楽アプリを使用している人が昨年9月が15%だったのに対して、今年は11%と減少。一方、音楽ストリーミングサービスの利用が昨年より6ポイント増加した。
集計ベース:有料サブスク最頻利用者のうち、無許諾音楽アプリの利用経験があり現在は利用していない人
「以前は無許諾音楽アプリを使用していたが、現在は使用していない理由」については、「アーティストにお金が支払われないから」が41%、「安心/信頼できないから」が33%、「アプリの開発/運営元があやしいと思うから」が29%。
集計ベース:有料サブスク最頻利用者のうち、無許諾音楽アプリを認知しており現在利用していない人
「Music FMやMusic Boxといった無許諾音楽アプリのイメージは?」という設問には、「違法アプリだと思う」が55%、「広告が多い」が44%、「アーティストにお金が支払われない」が39%となり、報告では「実情への理解が広がっている」と評価している。
一方、無許諾音楽アプリ最頻利用者が「無許諾音楽アプリを使っている理由」として「十分満足できるサービスだから」「便利なサービスだから」という回答が多く、85%の人が無許諾音楽アプリに「満足している」という現状も明らかになった。無許諾音楽アプリ最頻利用者の約50%が10代から20代で、性別は女性が約6割との調査結果が出たという。
集計ベース:無許諾音楽アプリ最頻ユーザーかつアーティストにお金が支払われていないとは考えていない人
「無許諾音楽アプリ最頻ユーザーかつアーティストにお金が支払われていないとは考えていない人」を対象に、「もし、今使っている音楽アプリ・サービスがアーティストにお金を支払っていなかったら、今のアプリの利用意向がどうなるか」を問いかけたところ、「引き続き使う」という利用者が64%にもおよび、「使わないと思う」は14%となった。
「お気に入りのアーティストが、あなたが使っている音楽アプリに反対の意思を示したら?」という質問には、無許諾音楽アプリの最頻利用者の約3人に1人が「今後は使わないと思う」と回答。「今後はアーティストも一緒になって業界全体が啓蒙活動を続けることで、正しい理解の浸透が望めると期待される」と希望を込めて報告されている。
音楽ストリーミングサービスが一般化し、アーティストの貴重な収入源のひとつとなっている昨今。未だに無許諾音楽アプリの使用が絶えない現状が浮き彫りになる一方、サブスクリプションサービスを取り巻く現状への理解が広がりつつあることがわかった。
なお10月1日から施行された改正著作権法では、著作権侵害コンテンツに誘導するリーチサイトや侵害コンテンツを利用するために用いられるアプリなどへの対策が盛り込まれている。それを受けて、LINE MUSICでは今後「無許諾音楽アプリ」ではなく、「違法音楽アプリ」と称して啓蒙活動を行なっていくという。