『おらおらでひとりいぐも』役所広司、高良健吾、白石和彌、今泉力哉ら賛辞

映画『おらおらでひとりいぐも』に寄せられたコメントが公開された。

若竹千佐子が63歳で『第54回文藝賞』『第158回芥川龍之介賞』を受賞したデビュー小説『おらおらでひとりいぐも』をもとにした同作。1人暮らしをする75歳の「桃子さん」が、図書館の本を読み漁るうちに約46億年の歴史に関するノートを制作し、万事に問いを立ててその意味を探求するようになる姿や、「桃子さん」の孤独な生活が現在と過去を行き来して賑やかな毎日に変わっていく様などが描かれる。2人の子供を育て上げた後、夫に先立たれた主人公・75歳の桃子さん役に田中裕子、「娘の時代」「妻の時代」の桃子さん役に蒼井優がキャスティング。沖田修一がメガホンを取った。公開日は11月6日。

コメントを寄せたのは、役所広司、高良健吾、シム・ウンギョン、中野量太、山下敦弘、犬童一心、白石和彌、今泉力哉、水田伸生、梅沢富美男、浜村淳、向井千秋、俵万智、藤あや子、森山良子、由紀さおり、高橋尚子、デヴィ・スカルノ、光浦靖子、上野千鶴子、生島ヒロシ、八木早希、中村桂子、西川千雅、畑中章宏。白石和彌と今泉力哉は動画も公開された。


役所広司のコメント

老いと孤独を沖田監督が料理すると、こんなに自由で、大胆で、軽みをもって感動的な映画になる。

高良健吾のコメント

沖田さんの映画を観ているといつのまにか深い呼吸になっている。魔法だと思う。
観終わった後に万歳したくなる映画です。

シム・ウンギョンのコメント

桃子さんのささやかな日常と彼女の“寂しさたち”のコラボが、大きい舞台上での芝居に見えました。役者さんたちの芝居があまりにも自然体で私もその中に居るような錯覚までありました。
過ぎてしまうと二度と訪れてこない舞台、その瞬間の幻を“寂しさたち”と一緒に淡々と生きて行く桃子さんに大きな拍手をお送りしたいです。
私も自分の“寂しさたち”ときちんとつきあって前に進んでみよう!と勇気をいただきました。桃子さんに感謝です!

中野量太のコメント

日本で一番好きな監督の新作は、やっぱり面白ビックリして、思わず仰け反りました。

山下敦弘のコメント

何だかとんでもないものを観た。
桃子さんの頭と心の中を覗く旅のはずが、沖田監督の頭の中、さらには人類の記憶と宇宙の始まりへと流れ、今まで感じた事ない境地まで連れて行かれてしまい、悔しさを通り越して沖田君に手を合わせて拝みたい気分です。それと田中裕子さんが凄かった。いや、凄まじかった。だからタイトルは『田中裕子』でいいんじゃないかと思った。つまりはそんな映画です。

犬童一心のコメント

降り積もった後悔や悲しみの隙間にある輝き、その光は木漏れ日のように優しい。
豊かな孤独を見せて貰い、日々の勇気が湧いてきました。
とにかく、田中裕子さんがかわい過ぎますよ

白石和彌のコメント

沖田監督がおもちゃ箱をひっくり返したような、楽しく、そして優しい映画。これは孤独な物語でもあるが、人生賛歌である。
そして、田中裕子さんの、穏やかでありながら“人生とは何か?”を見せてくれる演技に、衝撃を受けた。
見終わったあと、『おらおらでひとりいぐも』の本当の意味が分かると思います。

今泉力哉のコメント

沖田監督の遊び心が詰まった、魅力的な映画だ。
人生は思い通りにならなくても、思いがけない喜びに辿り着くこともある。
桃子さんのような“孤独”や“さびしさ”との付き合い方ができたら人生はキラキラと輝いてみえるのかもしれない。

水田伸生のコメント

我が最愛の女優である田中裕子さんに、いくら主演とは言え「75歳のお婆ちゃん」って…
沖田監督なにしてくれてるの!? わ、凄っいチャーミングな「愛と哲学」の映画じゃん!
監督、田中裕子さん大正解です!

梅沢富美男のコメント

僕もこの映画の公開3日後に70歳になる
老いることは孤独かもしれないけれど不幸ではないと桃子さんは教えてくれる
ここだけの話、僕も「おらだばおめだ」という存在がちらほら見え始めている

浜村淳のコメント

年は取ってもめげたりせんぞ。
いつも男があらわれて音楽奏でてさわがしい。
46億年は地球の歴史。人はまだまだ小さい小さい。
おらもみておれ、100までいぐも。

向井千秋のコメント

寂しさと向き合う中、「大事なのは愛より自由だ!」と気づき、新しい一歩を踏み出す桃子さん。
「老い」もまた、成長過程の一つに過ぎないのだと教えてくれました。
自分の人生は自分で生きていこうという、元気に生きる覚悟をくれる映画です。

俵万智のコメント

ただの前向きでも、もちろん後ろ向きでもない。
後ろ歩きで進むような桃子さんの一歩一歩に、胸が熱くなる。

藤あや子のコメント

人はひとりで生まれひとりで死んで逝く…だから孤独とはいつも背中合わせ。
人生を逞しく生きていく術は、長い旅の中で見つかるものなのだと、教えてくれる作品です。

森山良子のコメント

年齢に関係なく、誰にでもふと寂しくなることがあります。桃子さんのようにまずは小さな一歩でいい、外へ踏み出してみることが大切。そこから何かが始まるはずです。75歳の女性が主人公ですが、今を生きるすべての人の物語でもあります。

由紀さおりのコメント

女の人生は、長くて愛おしくて哀しい。現実と若かりし頃が相まって描かれた手法が、ファンタジックで楽しめました。女は強い!
田中裕子さんがすばらしい。

高橋尚子のコメント

忙しい毎日や情報が溢れる社会の中で日々の生活に没頭する時間が多いですが、今までの道のりやこれからの人生についてあらためて考える機会を頂いた映画でした。自分の中にある沢山の声や思いに耳を傾けながら前向きなパワーを頂きました。

デヴィ・スカルノのコメント

めくるめく四季の移ろいの中、ひとり暮らしの75歳の桃子さんがささやかな日常を通して力強く生きる変化を見せてくれる。
やわらかな東北言葉がまるでフランス語のよう!
老いも若きも見るべき素敵な美しい映画。

光浦靖子のコメント

歳を取ることが怖いと思うようになったのは、歳を取り始めたからだと思います。
私もあんな愉快な寂しさを産み出せたら、、、歳と馴染めるかなあ。

上野千鶴子のコメント

あの多声的な原作をどう映像化するのだろうかとドキドキした。そうか、こうきたか。してやられた。

生島ヒロシのコメント

観終わった後に、思わず快哉を叫びました。
私も間もなく70歳。
今は妻が居て賑やかですが、独りになったらどうしよう‥そんな思いを“寂しさ”たちが吹き飛ばしてくれました!
『団塊の世代』の皆さん、ぜひ観て下さい!

八木早希のコメント

(昨日、今日、明日と)同じ毎日を過ごす老人の「進化」を侮る事なかれ!
名も無き小さな幸せが生き生き輝く作品。
「本来の自分らしさ」とちゃんと向き合ってみたくなりました。

中村桂子のコメント

自由っていいなあ。一人暮らしの寂しさも賑やかさになってしまうのだから。
75歳の桃子さんの一年が田中裕子さんの見事な表情の変化で綴られ、生きてるって楽しいとワクワクしました。
図書館で出会った地球46億年の歴史も生きものは面白いぞと語り、桃子さんの笑顔が一層可愛くなったみたいです。

西川千雅のコメント

子供が空想の世界で遊んでいるようにもともと持っている世界。
その中では時間も空間も超越して、気持ちよく居心地の良い世界です。
その繊細微妙な機微を一緒に味わえる、いや何度も味わいたくなるような作品です。

畑中章宏のコメント

3人の“精霊”が囁く方言に誘われて、過去の記憶がよみがえる。
“ふるさと”を離れて暮らす主人公の人生は、私たち日本人にとって“普遍的な物語”といえるものだ。

作品情報

『おらおらでひとりいぐも』

2020年11月6日(金)公開
脚本・監督:沖田修一 原作:若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社) 音楽:鈴木正人 主題歌:ハナレグミ“賑やかな日々” 出演: 田中裕子 蒼井優 東出昌大 濱田岳 青木崇高 宮藤官九郎 田畑智子 黒田大輔 山中崇 岡山天音 三浦透子 六角精児 大方斐紗子 鷲尾真知子 配給:アスミック・エース
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