新潮社による『「新・三島由紀夫」フェア』が行なわれている。
没後50年を迎える三島由紀夫。同フェアでは新潮文庫全作品のカバーを金銀箔を施したデザインにリニューアルしたほか、三島本人が『わが友ヒットラー』を朗読した音源の公開、新たな解説の収録、新編短編集『手長姫 英霊の声 1938 -1966』の刊行、『新潮』『芸術新潮』への特集記事掲載などを実施する。
解説執筆陣は、『愛の渇き』の石井遊佳、『金閣寺』の恩田陸、『春の雪 豊饒の海(一)』の小池真理子、『花ざかりの森・憂国』の佐藤秀明、『潮騒』の重松清、『宴のあと』の辻原登、『真夏の死』の津村記久子、『仮面の告白』の中村文則、『午後の曳航』の久間十義、『サド侯爵夫人・わが友ヒットラー』の平野啓一郎、『禁色』の森井良。
11月1日刊行される短編集『手長姫 英霊の声 1938 -1966』には、三島が13歳から41歳までの間に発表した短編作品の中から、13歳の時に初めて書いた小説『酸模―秋彦の幼き思い出』をはじめ、新潮文庫初収録となる9作を収めている。解説は保坂正康。
11月7日刊行の『新潮 2020年12月号』には特集記事「三島由紀夫没後五十年」を掲載。作家たちによる三島トリビュート競作『私の「仮面の告白」』や、評論、エッセイを収録している。参加作家は上田岳弘、高山羽根子、舞城王太郎、三国美千子、平野啓一郎、大澤信亮、鈴木涼美、浜崎洋介、黒田夏子。
三島の命日である11月25日に刊行される『芸術新潮 2020年12月号』には、特集記事「21世紀のための三島由紀夫入門」を掲載。杉本博司、森村泰昌、柳幸典、会田誠、小田原のどか、平野啓一郎、美輪明宏、高橋睦郎、横尾忠則、井上隆史、四方田犬彦が参加しているほか、細江英公『薔薇刑』や東大全共闘討論会のスナップ、三島が愛猫と戯れる姿を捉えた写真などを収録している。
- 書籍情報
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『手長姫 英霊の声 1938 -1966』
2020年11月1日(日)発売 著者:三島由紀夫 価格:649円(税込) 発行:新潮文庫