Gucchi's Free Schoolが、「ハラスメント問題についての見解 -『クリシャ』現状のご報告や「やりがい搾取」について-」と題する記事をオフィシャルサイトで発表した。
日本未公開・未発売の映画DVDを紹介する情報サイトの運営や映画配給、上映イベントを手掛ける「Gucchi's Free School」。『WAVES /ウェイブス』のトレイ・エドワード・シュルツ監督の長編デビュー作『クリシャ』の配給を手掛け、アップリンクで上映を予定していたが、アップリンクの浅井隆代表によるパワーハラスメント問題を受けて上映を延期にしていた。
浅井代表に対して元従業員がパワーハラスメントの損害賠償を求めていた訴えについては、訴訟外での和解協議が合意に至ったことが発表されたが、その一方で被害者たちによる「UPLINK Workers’ Voices Against Harassment」のSNSアカウントでは、和解について「円満」でもなく、「全ての問題が解決した」とも思っていないと表明していた。
また11月7日には、ユジク阿佐ヶ谷の元スタッフによるSNSアカウント「元ユジクスタッフの声」で、ユジク阿佐ヶ谷で起きたハラスメントの内容の一部が公開された。
11月10日に公開されたGucchi's Free Schoolによる見解の発表は、上記の状況を踏まえたもの。「やりがい搾取」といわれがちな映画業界、とくにミニシアター業界の労働環境について、さらにハラスメントや労働環境問題に対する映画関係者の沈黙についての見解が綴られている。
『クリシャ』の公開については、「アップリンクさんが公式に出されたコメントと原告側が発表した声明文を拝読した結果、まだアップリンクさんと上映をご一緒できる状況ではないと判断せざるを得ませんでした」とし、「健全な労働環境へ向けての改善、ハラスメントが今後起きないための環境作りへと取り組まれる暁には、グッチーズとしてもできるかぎりの協力・応援をしたいと思っております」と綴っている。さらに、労働環境の改善へ動き出していることを外側からでも見える形で伝えてほしい、と呼びかけている。
「やりがい搾取」問題については、「『やりがい搾取』のうえにしか成り立たない業界など元から成立してないのだから潰れてしまえ、という考え方もあるでしょう。また、潰れてしまうのが嫌ならば『やりがい搾取』に耐えられる人たちに支えてもらうしかないのでしょうか。私はどちらの立場も取りたくありません」とし、「やりがい搾取」ではない形で情熱をそそぐ活動としての「インディペンデント」を提案している。
全文はGucchi's Free Schoolのオフィシャルサイトで確認しよう。