最果タヒの詩集『夜景座生まれ』が本日11月26日に刊行された。
『中原中也賞』『現代詩花椿賞』受賞を経て、第4詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』が石井裕也監督によって映画化された最果タヒ。『夜景座生まれ』は最果タヒにとって第8詩集となる。
なお『最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。』が、12月4日から東京・渋谷PARCO、2021年2月13日から愛知・名古屋PARCO、3月5日から大阪・心斎橋PARCOで開催される。
最果タヒのコメント
自分の詩集を作り終えたときは、いつも不安です。誰にも読まれない気がするし、自分だけがこの言葉を抱えているような予感がします。それでいい、とも思っています。詩を書くときはいつも、自分の知らないところに言葉が宿ってほしいと思うし、言葉を書くことは自分を更新していくものだと思っているから。そうやって書くのが私にとっての詩なのだと思います。決して、限られたパイを食べて、まだ食べていないところを探すようなことではなく、何もないお皿に急に見たこともないパイを呼び出すような、そんなやり方を続けたい。これがなんなのかはわからないし、私の勝手な思い込みだとは思うのですが、でもそうやって貫いていると、言葉を書くことはとても新鮮で、人は生きる限り、読むし、書くのだろうと、信じられるのです。
新しい詩集が出ます。今はとても不安です。こうやって不安があるかぎり、私は詩を書くことが好きなのだと思います。よかったら、読んでみてください。
※記事掲載時から一部内容が変更になりました。
- 書籍情報
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『夜景座生まれ』
2020年11月26日(木)発売 著者:最果タヒ 価格:1,200円(税抜) 発行:新潮社