連続講座『現代アートハウス入門 ネオクラシックをめぐる七夜』が、1月30日から東京・渋谷のユーロスペースほか全国18の映画館で開催される。
文化庁委託事業「文化芸術収益力強化事業」として開催される同企画は、「ミニシアター」という呼称で1970年代から親しまれてきた日本の「アートハウス」の歴史を彩ってきた作品を上映し、2000年以降にデビューした映画作家を講師に迎え、レクチャーや専門領域の異なるゲストとのトークで上映作品の魅力を語る7夜連続講座。主にユーロスペースに監督、ゲストが登壇し、その模様が各映画館のスクリーンに生中継される。トーク時間は60分程度を予定。
参加監督は、小田香、小森はるか、想田和弘、濱口竜介、深田晃司、三宅唱、山下敦弘、横浜聡子。
上映作品には、フレデリック・ワイズマン監督『チチカット・フォーリーズ』、ビクトル・エリセ監督『ミツバチのささやき』、アントニオ・レイス、マルガリーダ・コルデイロ監督『トラス・オス・モンテス』、フレディ・M・ムーラー監督『山の焚火』、ヴィターリー・カネフスキー監督『動くな、死ね、甦れ!』、佐藤真監督『阿賀に生きる』がラインナップしている。上映作品と監督の組み合わせ、日程、ゲストは順次発表。メインビジュアルはloneliness booksが手掛けた。
上映館などの詳細はイベントオフィシャルサイトで確認しよう。
小田香のコメント
二十歳を過ぎてはじめてシネコン以外で映画を観た。大丈夫、世界にはまだ余白があった。このだるさからいつか抜け出し、もう少し遠くまで歩けるかもしれないと、スクリーンを見つめながら思った。
小森はるかのコメント
何をどう撮ればいいのかわからなくなったとき、20年前につくられた一本の映画と出会い、背中を押されました。何年経っても現在を映し出す作品たちが、きっとこれから出会う人たちの未来を切り開いてくれるのだろうと思います。
想田和弘のコメント
映画館の暗闇を一歩出たときに、世界の見え方が一変してしまう。アートハウスで、そういう体験を何度もしてきた。僕が映画作りで目指すのも、観客にそういう体験をしてもらうことである。
濱口竜介のコメント
映画館でのみ感知することができるような、映画の「ささやき」があります。それを殊更聞こえやすくすることはできませんが、一緒に耳を傾けようと誘うように話したいなと思ってます。
三宅唱のコメント
学生時代、これと決めた特集上映に日参してはその晩、映画日記をつけたり、友人と朝まで長話をした。そうやって何度も反芻したあの場面やあのカットに今でもふと救われたり、悩まされている。
横浜聡子のコメント
いい映画をみた時、衝撃や刺激を受けるというより、息をするのが、生きるのがほんの少し楽になるという表し方が自分にとってはふさわしい。それは既にある理解や感覚を超えた世界をみせられたことに不安になるからではなく安堵するからに他ならない。
- イベント情報
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『現代アートハウス入門 ネオクラシックをめぐる七夜』
2021年1月30日(土)〜2月5日(金)連日19:00〜ユーロスペースほか全国18の映画館で開催 料金:1プログラムにつき30歳以下1,200円 31歳以上1,800円