山内祥太の個展『第二のテクスチュア(感触)』が1月10日から東京・代々木の新アートスペースTOHで開催される。
1992年生まれの山内祥太は神奈川在住のアーティスト。2014年に金沢美術工芸大学を卒業し、2016年に東京芸術大学映像研究科を修了した。「私と世界の関係」を様々なメディアを通して探究しており、3DCGとクロマキー合成を組み合わせた映像作品や、「VRを体験すること自体を作品とする」作品などを制作している。
吉田山(FL田SH)が主催する同展では、諸星大二郎の『カオカオ様が通る』から影響を受けて書き起こされた顔にまつわる短編物語を中心としたインスタレーションを発表。人間の皮膚や都市の風景を「現代のテクスチュア」と捉え、山内が近年取り組んでいる身体の彫刻化への探求とテキストに潜む映像性について考察を深めるとのこと。コラボレーターはARIKA。初日にはパフォーマンスも行なわれる。
山内は『カオカオ様が通る』について、「この物語は『カオカオ様』という巨大な顔に足が生えた怪物が様々な土地や文化圏を通過していき、それぞれの土地でカオカオ様への対応や反応の違いを旅人が観察する物語です。カオカオ様について様々な人間が様々なことを言うので主人公は結局『カオカオ様』について確証を得ることができずに物語は終わっていしまいます。カオカオ様の存在は自分の顔や身体を視ることは不可能であるという現象そのものが実体化した象徴的な存在として描かれています。作中で『カオカオ様もわたしであり、わたしもまたカオカオ様である。』と発言する村人が現れますが、これも私という存在を視ることの不可能性また相対的な存在としての自分という現象そのものを体現しているのではないかと思います。つまりカオカオ様はみなの情念が作り出した幻影であって、蜃気楼のような存在なのではないだろうかと思うのです」と解釈している。
- イベント情報
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山内祥太
2021年1月10日(日)〜1月30日(土) 会場:東京都 代々木 TOH 時間:13:00〜19:00(月曜は17:00まで) 休廊日:火、水、日曜(1月10日は開廊)
『第二のテクスチュア(感触)』