『コロナ時代のアマビエ』プロジェクト第2弾は鴻池朋子『武蔵野皮トンビ』

鴻池朋子の作品『武蔵野皮トンビ』が、本日1月8日から埼玉・ところざわサクラタウンの角川武蔵野ミュージアムに展示されている。

コロナ禍の中で人々に求められるイメージを6人のアーティストが順番にそれぞれの解釈で制作する『コロナ時代のアマビエ』プロジェクトの第2弾となる同作は、ミュージアムの外壁に設置。約1年にわたって、隈研吾が制作した壁に棲み続けるという。

鴻池朋子のコメント

美術館の中か外かというならば、もはや私はどこであっても、その展示場所に特に違いはないような心持ちになっています。けれどもひとつ思う事は、美術館の中はとても安全で守られている、それが一番の弱点と感じるようになってきました。理不尽に聞こえますが、その“妙な感触”は、遡れば東北の震災を経たあたりからより自覚的になってきたように思います。感覚は言語に先行して情報を捉えます。人間にとって利点であるはずの、「守られている」ということを、なぜ直観力は弱点とするのか探ってみたいと思います。作品は牛革を縫い合わせ水性塗料を塗っただけの素朴な製法で、いわゆる「絵画」を屋外に晒しているような状態です。「動物の皮」は天候とやりとりしながら、約1年間、人間の皮膚のように経年変化しタフに歳とっていくことでしょう。

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