電子書籍リーダー「Amazon Kindle」の日本版が発売されたのが2012年。それから約9年経った現在、電子書籍での読書は当たり前のこととなった。紙での読書習慣はこのまま無くなっていくのだろうか? それとも根強く残っていくのだろうか?
日本全国の高校生の読書習慣を調査したアンケート結果を、「LINEリサーチ」が発表した。
調査内容は読書をする頻度や、読書のスタイル、ジャンルなど。調査期間は1月13日から14日。日本全国の高校生。有効回収数は1045サンプルとのこと。
「普段読書をするか」という質問に対しては全体の約8割が「読書する」と回答。漫画は含まない。男女別では女性が85%、男性が73%となる。
読書のペースについては、1か月に1冊以上読む人が6割超。その中では「月に1冊くらい」が最も多く全体の約3割、次いで「月に2~3冊くらい」という人が2割強になったとのこと。性別で見ると、読書をする割合は女性が多かったものの、読む冊数は男性のほうが多い傾向が見られる。
「どのようにして本を読むか」の質問に対して、「本屋などのお店で買う」が男女共に8割以上で最多。次いで「図書館・図書室で借りる」、さらに「古本屋/リサイクルショップで買う」「家族・友だちから借りる」「インターネットで買う」といった順位となった。また、「紙」と「電子書籍」では、「紙」派が圧倒的に多いという結果に。
「読む本のジャンル」は男女ともに「小説・ライトノベル」が1位。2位からは性別で異なり、女性は「写真集・タレント」「楽譜・スコア・音楽書」と続き、男性は「エンターテイメント・ゲーム」「歴史・伝記・地理」と続いている。
[男女別]「ふだん読んでいる本のジャンルTOP10」回答結果
「小説やライトノベルを読むきっかけ」については、女性の1位が「おもて表紙のデザインや書かれていることを見て」、男性の1位が「好きな作家の作品・新作が出たとき」となった。女性の3位に「裏表紙に書かれているあらすじなどを見て」、4位に「本の帯に書かれていることを見て」がランクインしている点から、実物を見て興味を持つ傾向があることがわかる。男性の2位には「ドラマや映画、アニメなどの原作だと知ったとき」がランクインしている。
なお「読書をする」と答えた高校生の5割以上が、2016年から2020年の『本屋大賞』受賞作品を読んだことがあると回答。読んだことがある作品の多さは、1位が住野よる『君の膵臓をたべたい』、2位が宮下奈都『羊と鋼の森』、3位が辻村深月『かがみの孤城』、4位が『蜜蜂と遠雷』という順位になっている。
「本屋大賞受賞作品の中で、読んだことのあるものは?」回答結果
アンケート結果では、高校生に読書週間が根付いており、小説などは紙で読むスタイルが変わらず一般的であることがわかった。漫画を読む場合は、漫画誌の公式アプリが充実していることもあり、スマートフォン上で読む人の割合が増えそうだ。