映画『ミナリ』に寄せた著名人コメントが到着した。
『ムーンライト』『レディ・バード』などを手掛けたA24と、ブラッド・ピット率いる製作会社のPLAN Bがタッグを組んだ同作。1980年代を舞台にした同作の主人公は、農業で成功することを夢見て、アメリカ・アーカンソー州の高原に引っ越した韓国系移民の一家。父ジェイコブらは新たな土地に希望を見つけるが、やがて水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がるというあらすじだ。公開日は3月19日。
キャストには、スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、ネイル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョン、ウィル・パットンらが名を連ねている。
コメントを寄せたのは、イッセー尾形、丑尾健太郎、枝優花、大森寿美男、片渕須直、上白石萌音、川村元気、SYO、原田眞人、弘兼憲史、藤井美菜、松尾レミ(GLIM SPANKY)、室井滋、YOU。
イッセー尾形のコメント
素晴らしい!
大仕掛けはなくても、夫婦の妥協しない姿勢がぶった切りのナマな迫力で作品を引っ張ります。
そして、一家族を見つめる中で気づく、言葉を超えた結び付き。
あの男の子を思わず抱きしめたくなるような、愛おしい作品でした。丑尾健太郎のコメント
画面から、草の匂いまで伝わってくる。倒れても懸命に生き抜く家族の姿が、たまらなく愛おしい。
枝優花のコメント
居場所のせいにして、自分自身から逃げることは容易い。本当はどこにいたって自分自身次第。どこまでだって行ける。ならば、今をどう生きる?そんなことを劇場で強く感じられる新しい春は最高。
大森寿美男のコメント
幸運なことは何も起きなくても、この家族には奇跡が起きている。
その奇跡を見つけることが家族であり、映画の役割だ。
この映画に登場する少年がのちにこの映画を撮ったかと思うと。
その奇跡を見つめる喜びを何度でも味わいたい。片渕須直のコメント
土地を拓き、そこで生きるには、大地に認めてもらわなくてはならない。僕の土や水はどこにあるのだろう。
上白石萌音のコメント
子どもたちとおばあちゃんの目がよく似ていたり、子が親より大人びていたり。人生は巡るのだなと思った。
何を選択し何を信じるのか。水と土と火と、人はどう共に生きるのか。
言葉や眼差しや風景の中に真理が潜んでいて、何ひとつ見逃せなかった。
誰の心にも、「ミナリ」の育つ湿地帯が必要だ。川村元気のコメント
芹(韓国語でミナリ)が好きだ。
鍋に入れても、お浸しにしてもいい。
いつ食べても繊細で、けれどもたくましい野生の味がする。
リー・アイザック・チョン監督が育んだ芹は、ひときわ味わい深く、どこか弱っていた僕に、生きる力を与えてくれた。SYOのコメント
「余韻」では足りない。悠久の、感慨。
この映画は“苗”だ。私たちの心に根付き、時間をかけて生い茂る。土地も文化も越えて。原田眞人のコメント
偶然と必然、陰と陽、おばあちゃんの2つの「お手柄」を並べたラストに心を揺さぶられた。
映画作家の見事な記憶の再生芸術。弘兼憲史のコメント
アメリカ版「北の国から」を是枝監督が撮ったらこんな作品になるのだろうか。家族のあり方を、いろんな面から考えさせられる作品だ。
藤井美菜のコメント
物語の後半、私は主人公たちと共にいた。
力強い大地の上で彼らと笑い、涙し、地団駄を踏んでいた。
これほどまでに観客を魅了し、没入させる作品があっただろうか。松尾レミ(GLIM SPANKY)のコメント
満身創痍でいると優しさに気付けなくなる事がある。そんな時も誰かがこっそり心に水を与えてくれているのかもしれない。泥に塗れ生きていく人生の美しさを教えてくれる作品。
室井滋のコメント
夢に向かっても落ちてしまう穴がある。
努力しても容易くないことだらけ。
この家族を見つめて自分の道をも省みた。
私のミナリは何処にーー。YOUのコメント
強さは、 弱さや 不信や 理想までを 乗り越えた場所にあった。
そこには まるで、根付いたすべてがあるようだった。
- 作品情報
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『ミナリ』
2021年3月19日(金)東京・TOHOシネマズシャンテほか全国で公開脚本、監督:リー・アイザック・チョン 出演: スティーヴン・ユァン ハン・イェリ アラン・キム ネイル・ケイト・チョー ユン・ヨジョン ウィル・パットン ほか 配給:ギャガ 上映時間:116分
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?