展覧会『新しい実存 - New Existentialism』が3月17日から東京・渋谷のバーチャルミュージアム「Unexistence Gallery」とHULIC &New UDAGAWAの貫通路で行なわれる。
『新しい実存 - New Existentialism』は、渋谷未来デザインが「毎日に『and』と『New』を 」というコンセプトを据えて実施するパブリックアート研究プロジェクトとして開催。同プロジェクトは、会員企業であるヒューリックと協働し、公共空間やオープンな空間にアートを実装することで、多様なクリエーターやアーティストとまちとのつながりを強め、創造文化都市渋谷にふさわしいまちづくりを目指すというもの。
同展は審査員を務めた渋谷区長の長谷部健、佐藤夏生(EVERY DAY IS THE DAY)、齋藤精一(パノラマティクス)、浦谷健史(ヒューリックプロパティソリューション)、Licaxxxが複数の企画の中から選出。参加アーティストの小林健太、平田尚也、やんツーの写真や彫刻、メディアアートを展示し、それまで「虚」として在ったものを「実」として入れ替えてみることで生成される、異なる意味の場を軸に、作品の実存とは何か、またそれらを鑑賞すること、所有することの意味を捉え直す試みになるとのこと。
浦谷健史(ヒューリックプロパティソリューション)のコメント
分離派建築会の時代から、建築と芸術は複雑かつ密接な関係にありました。今回のプロジェクトは「渋谷」というアーティスティックな街を舞台に、建築と芸術をよりインタラクティブに絡ませようという試みです。渋谷未来デザイン様のご協力を得て、アーティスト選定のコンペを開催しましたが、結果的にコロナ禍の時代を象徴した、リアルとバーチャルを融合させた渋谷らしいアートが実現しました。この「しかけ」と「リアルな場」、そして「バーチャルな場」が未来の渋谷に寄与することを期待します。
李明喜(デザインチームmatt、アカデミック・リソース・ガイド)のコメント
インターネットが日常生活に深く浸透し、現実空間とバーチャル空間がシームレスに融合するこの世界で、私たちの感覚は拡張する現実によって規定されているといえます。さらに、ウィズコロナ/ポストコロナの時代においては、バーチャル空間が、創造やコミュニケーション、あるいはマーケットの空間として、新たな現実となりつつあります。
本プロジェクトでは、都市と建築のあいだの貫通通路にバーチャルギャラリーを接続することで、こうした時代におけるアート作品のあり方に問いを投げかけます。バーチャル空間に「作品がある」ということはどういうことなのか?バーチャル空間でしか創造できないアート作品を体験するということはどういうことなのか?貫通通路の壁紙は、バーチャルギャラリーという作品の実態からの切り取られたイメージであり、バーチャルギャラリーへの都市からの入口になります。都市とバーチャル空間が混じり合う環境での新しいリアリティをHULIC &New UDAGAWAに現出させます。