日英合作映画『Cottontail(英題)』が2022年に日本公開される。
『英国アカデミー賞US学生映画賞』、ヨーロッパ人として初めて『学生エミー賞』ドラマ部門を受賞したパトリック・ディキンソンの新作となる同作は、愛する人を失うことにより崩れかけた家族の愛の再生の物語。妻・明子を失った健三郎と疎遠だった一人息子のトシ一家が、明子が子供の頃に好きだった『ピーターラビット』の発祥地であるイギリスのウィンダミア湖に散骨して欲しいという願いを叶えるためイギリス北部の湖水地方に旅立つというあらすじだ。「Cottontail」とは、ビアトリクス・ポターの『ピーター・ラビットのおはなし』に登場するピーターの3匹の妹のうちの一匹の名前。
何かに悩みながら大人げない態度をとり続ける健三郎役にリリー・フランキー、健三郎に苛立ちつつも気にかけるトシ役に錦戸亮、明子役に木村多江、トシの妻さつき役に高梨臨、健三郎が出会うジョン役にキアラン・ハインズ、その娘メアリー役にジェシー・バックリーがキャスティング。早稲田大学に留学経験があるパトリック・ディキンソン監督は多くの日本映画を観ているなか、今回の出演者を決めたという。プロデュースと世界セールスはウエストエンドフィルムズが手掛け、共同プロデュースとしてジェイミー・ハービーとサッチ・ワタナベが参加。
コロナ禍で延期されていた撮影は、2021年初夏に日本でスタートし、イギリス・ロンドンでも撮影。
パトリック・ディキンソン監督のコメント
リリー・フランキーさんは、今を代表する素晴らしい俳優の一人です。彼が役柄にこめる繊細で人間らしい演技には、毎回驚かされますし、これこそが彼が特別な存在感を放つ理由だと思っています。今回「コットンテール」という愛の物語でリリーさんと一緒に作れる事をとても楽しみにしていると同時に、世界中の人々の心に触れる美しい映画にしていきたいと思っています。
錦戸亮さんは、演じる役の感情に観客を引き込む事が非常に上手な俳優さんです。「羊の木」での亮さんのお芝居で僕は、どんどん彼の役の感情に引き込まれ、忘れられない映画体験をさせて頂きました。才能豊かな亮さんの演技の幅広さと奥深さを「コットンテール」で皆さんにも体験して頂ける事を嬉しく思っています。
木村多江さんが日本アカデミー賞を受賞された「ぐるりのこと」でのお芝居を拝見して、本当に素晴らしいと感じました。多江さんは偽りのない真の感情を見事に表現していて、僕は何度も泣かされました。多江さんの、この“真に迫るもの”こそが、観客の心の奥深くまで響き、感動を与える理由だと思っています。多江さんと一緒に「コットンテール」という愛の物語で、彼女の才能を映像化できる事が楽しみです。
高梨臨さんのカンヌ国際映画祭に正式招待された「ライク・サムワン・イン・ラブ」でのお芝居は本当に秀逸でした。
臨さんは役柄を、希望や恐怖心などを抱え持つ人間味あふれる存在として見事に演じ、私は、彼女に特別な才能を感じました。幸運にも臨さんがキャストに加わって下さった事で、「コットンテール」をご覧になった方々は、きっと彼女の細やかな感情あふれるお芝居で胸心を動かされる事だろうと思っています。カブリエル・タナプロデューサーのコメント
パトリック監督の脚本の元に、こんなにも素晴らしい俳優さんたちが集った事を大変嬉しく思っております。この美しい物語を映画としてこれから皆さんと作れる事を、製作者一同楽しみにしております。素晴らしい監督や役者やスタッフとともに、この愛の物語は、言葉も国籍も越え、多くの方々の心に響く作品にしていきたいと思っています。
- 作品情報
-
『Cottontail(英題)』
2022年日本公開予定監督・脚本:パトリック・ディキンソン 出演: リリー・フランキー 錦戸亮 木村多江 高梨臨 キアラン・ハインズ ジェシー・バックリー
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?