映画『グッドバイ』に寄せた著名人コメントが到着。あわせて新予告編が公開された。
是枝裕和監督のもとで映像制作を学んだ宮崎彩監督の初長編となる同作は、少女から大人に変わりゆく主人公の視点から家族の変容と決別を描いた作品。母親と2人暮らしのさくらは、ある日職場の保育園で園児の父・新藤と出会い、新藤に離れて暮らす父の姿を重ねるようになり、やがてかつての父親に関する「ある記憶」を思い出すというあらすじだ。さくら役に福田麻由子がキャスティング。共演者には、さくらの母役の小林麻子、新藤役の池上幸平、保育園の同僚役の井桁弘恵、幼なじみ役の佐倉星、離れて暮らす父役の吉家章人らが名を連ねる。公開日は4月3日。
コメントを寄せたのは、西加奈子、藤原季節、大野いと、る鹿、前田エマ、暉峻創三。
西加奈子のコメント
言えなかった言葉や、飲み込んだ思いが、画面のあちこちで光っていた。
映画が終わっても、その光は消えなかった。藤原季節のコメント
映画には作る人の思いが映っていて欲しい。感情の原点はどこにあるのか。特にさくらの家族のシーンでは監督の個⼈的な思いを感じて、他人の家を覗き⾒しているようで引き込まれた。現実にはロマンや夢よりもまず生活や生息があり、しかしまず存在そのものが気⾼く孤⾼なものなんだとさくらが教えてくれた。あのラストカットのように、他人は簡単に届かない場所で生きている。
大野いとのコメント
見る前から何がグッドバイなんだろうと気になっていました。
さくらは何と“グッドバイ”したのか、この映画の66分間がとても濃厚で、見終えた今でも考えています。
何気ないと誰もが思う日常がリアルな空間で映し出されているのに、そこには全く何気なくない大切な過去や瞬間があることを感じることができました。
さくらと桜、保育園の子供たち、食卓、出てくる物への愛情が画面越しに伝わってきて⼼に残る映画になりました。る鹿のコメント
淡々と日常を見せるようにみえますが
映像の構図とシーンの切り替えがとても綺麗で、
複雑な感情を少ないセリフに絞ってとてもシンプルな表現が⼼に沁みました。
見せない美学もあるっていうのを感じました。
見る人がそれぞれが違う捉え方ができたんじゃないかなって思います。
特に結末の展開に驚きました。
余韻を楽しめる作品です。前田エマのコメント
「舌」と「匂い」が、私の中にもある。
そしてそれが、私にとっての“家族”だ。
この映画を観てそのことを再確認し、嬉しくなりました。暉峻創三のコメント
桜咲く季節をたゆたうヒロインのどんな時間を切り取って⾒せるかに関する、監督・宮崎彩のきらめく才気。これを見ずして俳優・福田麻由子は語れないと断⾔できる、静謐にして熱と悲しみを内に秘めた圧巻の演技。春、必見の一作だ。
- 作品情報
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『グッドバイ』
2021年4月3日(土)からユーロスペースほか全国で順次公開監督・脚本・編集:宮崎彩 音楽:杉本佳一 出演: 福田麻由子 小林麻子 池上幸平 井桁弘恵 佐倉星 彩衣 吉家章人 上映時間:66分 配給:ムービー・アクト・プロジェクト、ミカタ・エンタテインメント
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?