寺本愛の個展『coastline』が4月10日から東京・FARO神楽坂で開催される。
大学で美術と服飾を学んだ1990年東京生まれの寺本は、自身が訪れた日本各地の地域や服飾文化に暮らす人々に着目し、その土地での実際の事象に個人的な体験や記憶、フィクションを複層的に重ね合わせた作品を制作。作品を通じて、時間、空間的差異を越えた「人が生活すること」の普遍性の表出を試みている。個展や芸術祭での作品発表を続けながら、様々な媒体へのアートワーク提供やイラストレーション、漫画などの制作も行なう。
同展は、1月に開催された『やんばるアートフェスティバル2020-2021』での展示『coastline』を再構成し、新作を追加。一昨年から昨春にかけての鹿児島の離島での生活を通じて輪郭線について考察を重ね、従来とは異なる描き方で輪郭線を描いた作品、色鉛筆やアクリルで色彩を施した作品、使用する素材に墨やステッカーを効果的に使用した作品といった新たな表現手法を取り入れながら、島で生活を営む人々の姿や想いを映し出すという。寺本は、「身体の輪郭としての皮膚の実感と、波のはたらきによって常に揺れている島の海岸線について知ることで、描く人物を形づくる線そのものを捉え直すきっかけになった」と語っている。
- イベント情報
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寺本愛
2021年4月10日(土)〜5月22日(土) 会場:東京都 FARO神楽坂 時間:13:00〜19:00 休廊日:日曜、月曜、祝日(5月4日、5日は開廊)
『coastline』