草彅剛と吉田羊が夫婦役　宮城発地域ドラマ『ペペロンチーノ』全国放送

2021.04.14 Wed

NHK仙台放送局制作『宮城発地域ドラマ「ペペロンチーノ」』が4月17日にNHK総合テレビで放送される。

3月6日にNHK BSプレミアムとBS4Kでオンエアされ、反響を受けて全国放送が決定した『宮城発地域ドラマ「ペペロンチーノ」』。東日本大震災が発生して以降、被災者の声を絶えず届けてきたNHK仙台放送局は、震災から10年が経過する今年、時間と共に一体何が変わったのか、揺れ動いてきた被災者の心のリアリティーを見つめたいと考え、同作を制作した。

主人公は、自身が営んでいたイタリアンレストランを津波で失い、失意の中でアルコールに溺れたオーナーシェフの小野寺潔。新しく店を建て直し、震災から10年の3月11日に友人を招いて宴席を企画した潔が、その意図を語り始めるところから物語が展開する群像劇だ。

小野寺潔役を草彅剛、潔の妻・灯里役を吉田羊が演じるほか、國村隼、矢田亜希子、富田望生、一色洋平、齊藤夢愛、蒼波純らが出演。作を一色伸幸、音楽を世武裕子、演出を丸山拓也が担当した。

放送に先駆けて、『東北ココから「宮城発地域ドラマ『ぺペロンチーノ』放送直前スペシャル」』が4月15日深夜にNHK総合テレビで放送。ドラマの舞台裏が紹介される。

草彅剛のコメント

被災した人物を演じることは、すごく難しかったです。プレッシャーもありました。僕自身は実際に被害にあっていないですし、当時は東京にいたので、実際被害にあった方とは計り知れない違いがあると思います。役として実際に被害にあったことをどうやって埋めようかなと。今でも心に傷を負って治っていない方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、心の役に立てるようなキャラクターがたくさん出てきます。それぞれの役者さんが本当に真心を込めて演じているので、伝わるかなと思っています。
クランクアップしたとき、最後のあいさつでちょっと涙が出てきて、ドラマの撮影が終わったときに泣いたのは何年ぶりかなと。羊さんもあいさつされているときちょっとほろっとされいて何かお互いの夫婦間がもうすごいできあがったんだなと思って、感無量というか。これが本当に視聴者の方にきちんと伝わればいいなと思います。

吉田羊のコメント

ようやくみなさまの思いを取り次ぐお役目をいただけたなと、感謝する気持ちです。俳優は、ミュージシャンやお笑い芸人さんと違って、ぱっと行って人を笑顔にしたり、癒やしたり、笑わせたりすることができる職業ではない、一人では何もできなくて。この10年間も決して胸を張って被災地支援をやってきたとは言えるものではなかったので、今回、俳優として必要としていただいて、今、持てる限りを注ぎ込んで、しっかりと務めあげたいなという気持ちでした。
草彅さんが演じた潔さんと、私の演じた灯里さんは、おしどり夫婦。草彅さん演じる潔さんが温かいまなざしで灯里さんを見てくださると本当にいとおしくて、胸がキュッとなって幸せな気持ちになりました。灯里さんは、きっと、みなさんにとっての大切な誰かの象徴であると私は思っていて、今回、意識して笑顔の灯里さんを演じるようにしました。