映画『彼女が好きなものは』の第1弾キャストが発表された。
今秋公開される同作は、2019年に『腐女子、うっかりゲイに告る。』のタイトルでドラマ化された浅原ナオトの小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』をもとにした作品。同性愛者であることを隠し続けている高校生の安藤純が、BL好きであることを秘密にしているクラスメイト三浦紗枝から告白され、「⾃分も“ふつう”に女性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか?」と一縷の望みをかけるように交際し始めるというあらすじだ。妻子持ちの同性の恋人がいながらも「異性を愛したい」「家庭を築きたい」と葛藤する安藤純に神尾楓珠がキャスティング。
今回新たに出演が発表されたのは、純に次第に惹かれていく三浦紗枝役の山田杏奈、純の幼なじみ高岡亮平役の前田旺志郎、クラスのリーダー的存在の小野雄介役の三浦獠太、純と紗枝の仲を取り持とうとする今宮くるみ役の池田朱那。三浦獠太は同作で映画出演デビューを果たす。
山田杏奈のコメント
紗枝を演じる日々を通して、人を愛することや自分の好きなものを好きだと言うことがこれほどに素晴らしくて、そして難しいということに触れました。
綺麗事だけじゃ済まされないこの世界で、それぞれの苦しさや生きづらさを抱えながら生きる一人一人の姿には、ぼんやりしているものに輪郭をつけるような強さがあるんじゃないかと思います。公開をぜひ楽しみにしていてください。前田旺志郎のコメント
僕の役は主人公・安藤純くんの幼馴染です。亮平はめちゃくちゃいいやつです。友達想いの熱い男です(笑)。脚本を読ませていただいた時からずっと、この物語の中で、この物語の先で亮平(幼馴染)としてゲイである純くんとどのように関わるのがベストなのかを考えていました。僕自身、これが正解だと思える答えは出せませんでした。ただ、今は、考えて考えてその時できる一番の敬意と愛情を持って「その人」に接することが大切だとこの作品を通して感じています。この映画を観るたびに答えは変わるかもしれません。ずっと考え続けたいと思います。皆さんが何かを考えるきっかけになれる作品です。是非、映画館でご覧ください。
三浦獠太のコメント
今回小野雄介役を演じました、三浦獠太です!オーディションでこの役に選んでいただけた時はめちゃくちゃ嬉しかった反面こんなに重要な役、自分にできるのかなという不安に襲われたのを覚えています。初めての映画出演で右も左もわからない中、草野監督やスタッフの皆さん、キャストの皆さんの力をお借りしながら、素敵な作品創りの現場に参加することが出来て、本当に感謝しています。そして初号試写の後、マネージャーさんが僕の名前を見たときに涙が出るほど嬉しかったという話を聞き、誰かの気持ちを動かすことのできるこの作品に参加できて本当によかったと心から思いました。
小野雄介を演じるにあたって、彼の人生、自分にしかできない小野を表現したつもりです。
自分なりの正義はあるものの不器用で誤解されがちな小野の葛藤が伝わったら嬉しいです!池田朱那のコメント
今宮くるみ役の池田朱那です。まず、初めて台本を読んだ時、「普通」とはなんだろうということを沢山考えました。普通の幸せを願う、繊細で脆く複雑で儚い安藤純くんの心に真摯に寄り添うこの作品に何度も胸を締め付けられました。こんな素敵な作品を素敵な方々と作り上げることができて幸せです。この映画を通して「同性愛」について知っていただき、もっと深く考えるきっかけになればと思います。
- 作品情報
-
『彼女が好きなものは』
2021年秋にTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開監督・脚本:草野翔吾 原作:浅原ナオト『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』(角川文庫) 音楽:ゲイリー芦屋 出演: 神尾楓珠 山田杏奈 前田旺志郎 三浦獠太 池田朱那 上映時間:121分
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?